福岡幼児3人死亡事故、裁判所が危険運転の適用見送り?

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昨年8月、福岡県福岡市東区内の市道で、泥酔運転の乗用車がRVに追突し、このRVが橋から転落して幼児3人が死亡する事故を起こしたとして、危険運転致死傷などの罪に問われた23歳の男について、福岡地裁は18日、福岡地検に対して業務上過失致死傷と道路交通法違反(酒気帯び運転)の罪を予備的訴因として追加するように命じた。

問題の事故は2006年8月25日深夜に発生している。福岡市東区奈多付近の市道に架かる「海の中道大橋」で、走行中のRVに対し、後方から猛スピードで走ってきた乗用車が追突。RVは歩道を乗り越えて橋の欄干を破壊、そのまま海に転落した。この事故で幼児3人が溺死、この幼児の父母が打撲などの軽傷を負った。

被告側はこれまでの公判で「危険運転致死に当たらない」として、業務上過失致死傷罪の適用を求めているが、今回の予備的訴因追加はこれとは別に裁判所が検察側に求めたものだ。

現在の危険運転致死傷罪については「被告は長時間酒を飲み、事故当時は泥酔状態で正常な運転ができなかった」ということが主張の柱となっているが、今回追加された予備的訴因の業務上過失致死傷罪は「前方不注意」が柱となっており、飲酒による運転への影響が認められない場合、それをフォローする内容となる。

被告は事故後に大量の水を飲んでおり、アルコール検知で出た数値は泥酔相当とはいえないものとなっている。「被告が泥酔状態であったか、否か」は最大の争点だが、事故当時に被告が泥酔状態だったということを示す客観的な証拠はなく、裁判所は危険運転罪の適用除外(=無罪)を避けるため、結審後にも関わらず訴因の変更を命じたとみられる。

《石田真一》

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