【池原照雄の単眼複眼】暫定税率撤廃でガソリン以外の「値下げ」

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【池原照雄の単眼複眼】暫定税率撤廃でガソリン以外の「値下げ」
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ガソリンのみに焦点当てる民主

道路特定財源の暫定税率撤廃をめぐる通常国会での与野党論戦が始まった。暫定税率が期限切れとなる3月末(自動車重量税は4月末)までに延長法案が通らずに本則税率に戻るのか、与党が補給支援特別措置法の時のように衆院再議決で可決するのか、予断を許さない展開となっている。

この問題が単純化されて政争の具になっていることへの違和感はぬぐえないが、多くの納税者の道路特定財源への理解が深まるという点では歓迎だ。今回は民主党の方針どおり、すべての税金の暫定税率が撤廃されれば、ガソリン代だけでなく車両代や車検時の負担も軽減されるというところも指摘したい。

「ガソリン値下げ国会」「ガソリン値下げ隊」「ガソリン解散」---これでもかというぐらい、民主党はガソリンに的を絞って国民の支持を得ようと必死だ。ガソリン価格はこの1年で5割近くも上昇しているので、一番受けのいい税目ということだろう。「責任野党」を自認するなら、この問題の全貌も少しは提示すべきだ。

◆6税目のうち5つの税金に暫定税率

別表のように道路特定財源は6つもの税金がある。このうち、車で使うLPGに課せられる石油ガス税を除く5つの税金はいずれも暫定税率が適用されている。しかもディーゼル燃料向けの軽油引取税は1976年から、ほかの4税目はさらに古く1974年から現行の暫定税率が適用されている。

民主党はこれらの暫定税率すべてを今回の期限切れで取りやめ、特定財源を一般財源にするという方針だ。もし、すべての税目で暫定税率が撤廃されるなら、ガソリン代だけでなく「車両代も車検時負担も安くなる」ということになる。

民主党が提示している1リットル当り「約25円のガソリン値下げ」は、揮発油税の暫定税率分(24.3円)と、ガソリン購入時に徴収されている地方道路税の暫定税率分(0.8円)を合算したものだ。

表:道路特定財源の概要
税目:本則税率→現在の暫定税率 / 07年度税収
●自動車取得税:3%→5%
4900億円
●自動車重量税:2500円/0.5トン→6300円/0.5トン
1兆0700億円
●揮発油税:24.3円/リットル→48.6円/リットル
2兆8400億円
●地方道路税:4.4円/リットル→5.2円/リットル
3000億円
●引取税:15.0円/リットル→32.1円/リットル
1兆0400億円
●石油ガス税:17.5円/kg→本則のまま
300億円
※取得税の暫定税率は営業用と軽自動車は除外
※重量税は自家用登録車の税率、税収の一部は一般財源
※石油ガス税は1976年から、ほかの4税目は1974年から暫定税率が継続

◆代替財源示せず「不都合な全貌」に?

これに加え、同党が説明をはしょっている自動車取得税は、本来3%の税率だが軽自動車と営業車両を除いて5%となっている。また、新車購入時や車検ごとに徴収される自動車重量税は、小型乗用車クラス(車両重量1トン超1.5トン未満)では本来、2年分で1万円だが、暫定税率によって同2万5200円と、約2.5倍の負担である。

民主党の方針どおりすべての暫定税率が撤廃されるなら4月からは車両購入時の取得税の負担が2%(取得価格150万円のクルマで3万円)減るし、5月からは重量税も小型車の場合、2年間で1万5200円の負担軽減となる。

こうした民主党案の最大の弱点は暫定税率の撤廃による2兆6000億円相当の税収減の代替税源を提示し切れないことだ。ガソリン以外の「値下げ」にも波及するというのは、財源の手当て策もままならない現状では、民主党にとって「不都合な全貌」なのかもしれない。

《池原照雄》

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