アメリカで最大のプラスチックモールディングのサプライヤー、プラステック・エンジニアード・プロダクツが先週末会社更生法を申請。これに伴い、ビッグ3の自動車生産に大きな影響が出ている。
特に打撃を受けたのはクライスラーグループで、同社は「他のサプライヤーが見つかるまで」としながらも、ミシガン、ニュージャージー、オハイオ、イリノイの4つの組立て工場の一時閉鎖を発表。さらに他の4か所でもパーツ不足から操業できなくなる可能性があるという。
プラステック社は北米に36のモールディング、組立て工場などを展開し、主に自動車用の部品、エクステリアからインテリアまで数多くを生産して来た。従業員数は7600人。
プラステックの他の大口顧客であるGM、フォードモーター、トヨタ自動車に関しては今のところこれほどの影響は出ていないが、GMは「プラステックからの部品供給がストップすればいずれ工場閉鎖もありえる」としている。
今回のクライスラーの工場閉鎖は、ビッグ3が日本のような「ジャスト・イン・タイム」の部品納入システムに切り替えていたことにも原因がある。工場にストックを持たないシステムは合理的だが、日本企業が新潟県中越沖地震で経験したような部品不足を引き起こす。
プラステック社は今後投資銀行などに経営を引き継ぐものと思われるが、自動車不況が現実となるつつあるこの時期の生産ストップは、クライスラーにとって大きな痛手となりそうだ。