昨年12月、東京都渋谷区内の都道(通称:明治通り)で、アメリカから来日した観光客の男性がクルマにはねられて死亡した事故について、警視庁は20日、19歳の少年をひき逃げ容疑で逮捕するとともに、事故を起こしたクルマを所有する19歳の少年も犯人隠避容疑で逮捕した。
警視庁・原宿署によると、問題の事故は2007年12月29日の午前0時30分ごろ発生した。渋谷区千駄ケ谷5丁目付近の都道を横断しようとしていた外国人男性がタクシーにはねられた。男性は対向車線側に弾き飛ばされたが、この直後に進行してきた乗用車にもはねられた。男性は頭部を強打して間もなく死亡したが、乗用車はそのまま逃走。後の調べで、アメリカから観光目的で来日した26歳男性と判明している。
警察では最初にはねたタクシーではなく、現場から逃走した乗用車によるケガが致命傷になったと判断。目撃情報などから車種を特定して車当たり捜査を実施した結果、足立区内に在住する19歳少年の所有するクルマが事故を起こしたものと断定し、この少年から任意で事情を聞いていた。
この少年は事故を起こしたクルマが自己の所有であることを認めたうえで、「事故当時に運転したのは友人だが、(自動車)保険が適用されないと思って逃げた」と供述。警察ではこれに基づき、運転していたとされる19歳の少年を自動車運転過失致死や道路交通法違反(ひき逃げ)容疑で逮捕。クルマを所有する少年を犯人隠避容疑で逮捕した。
運転していたとされる少年は調べに対し、「自分が助手席に同乗していた」、「当たったのが人とは思わず、保険についての会話はしていない」などと供述し、容疑を否認している。警察では事実関係について、引き続き調べを進めている。