フェリー乗船中の転落事故 元機関長に実刑判決

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昨年2月、広島県尾道市内の桟橋に接岸中のフェリーが岸壁を離れ、乗船中だった軽乗用車が海に転落。乗っていた1人を死亡させたとして業務上過失致死罪に問われていた70歳の元機関長の男に対する判決公判が11日、広島地裁尾道支部で開かれた。裁判所は機関長の過失を認め、禁固1年の実刑を命じている。

問題の事故は2007年2月15日朝に発生している。尾道市土堂1丁目付近のフェリー乗り場で、対岸の島に向かうフェリー(排水量125トン)に乗船しようとしていた軽乗用車が桟橋を進行していたところ、船が突然動き出して桟橋から離れた。

クルマは前輪が船体に掛かる手前の状態だったが、船が動いたことによって生じた隙間から海に転落。運転していた60歳の男性は自力で車外に脱出したが、同乗していた35歳の男性は収容先の病院で死亡。警察は船の機関長を務めていた70歳の男ら2人を業務上過失致死容疑で逮捕した。

機関長の男は接岸中に本来は必要の無いクラッチ操作を行い、これが原因で船が前進。離岸していたことがその後の調べで判明した。男は車両誘導員に必要な警告を行っておらず、これが原因でクルマが乗船を継続。事故に至っていたことがわかり、検察は男を業務上過失致死罪で起訴していた。

11日に開かれた判決公判で、広島地裁尾道支部の山口信恭裁判官は「機関長の不適切な操作が事故に結びついた」と断定。他の乗務員や乗客に対する緊急事態の警告を怠ったことも事故の一因として、男に対して禁固1年の実刑判決を言い渡している。

《石田真一》

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