日立製作所は、金属の精密接合に適したパルス通電接合で、従来に比べ接合部材の変形を約40%低減させるとともに接合時間を半減する、高精度化・省電力化技術を開発したと発表した。
パルス通電接合は、接合部材に電流を流し、発生した熱により接合を行う技術で、エンジン用部品や油圧機器用部品など、複雑な形状の金属部品の精密接合に適している。
今回日立は、パルス通電接合で、接合中の部材の変形度合いを検知し、その度合いに応じて接合の圧力や通電時間をより適切に調整する「通電・加圧力制御技術」を開発、接合部材の変形を約40%低減できることを確認した。変形の少ない高精度な部品製造が可能になるほか、通電時間も短縮できる。
また、接合中の部材の酸化を防ぐために、接合部材の周囲のみを不活性ガスで覆う「雰囲気制御技術」も開発した。従来の部材全体を不活性ガスで覆う方式と比べ、接合前に酸化防止のために雰囲気を調整する時間を短縮、接合時間を半減できる。これらの技術により、従来より高精度で通電時間の少ない接合が可能となり、結果として接合の省電力化を実現した。
現在、金属材料を面と面で接触させ直接接合する方法としては、接合する部材を熱処理炉に入れ、圧力をかけた状態のまま、全体を高温で加熱し接合する「拡散接合」が主流だ。しかし、接合に伴う変形が大きいことや接合に要する時間が長いこと、エネルギー使用量が大きいことなどの課題があった。
パルス通電接合は、接合したい部分を中心に加熱するため、接合に伴う変形が少なく、接合時間の短縮が可能なことから、現在は金型の冷却用部品の接合に用いられているほか、エンジン部品や油圧機器の部品などの複雑で精度が要求される部品への応用が検討されている。
今後、様々な材料への応用検討を進め、エンジン用部品、油圧機器用部品、航空機用部品など、幅広い製品分野での展開を進める。
新開発技術の詳細は、9月10日から12日に北九州市の北九州国際会議場で開催される「溶接学会秋季全国大会」で発表する予定。




