JFEの1320MPa級ハイテン材、ホンダ フィット に採用

自動車 ビジネス 企業動向
JFEの1320MPa級ハイテン材、ホンダ フィット に採用
JFEの1320MPa級ハイテン材、ホンダ フィット に採用 全 1 枚 拡大写真

JFEスチールは、JFE-CALプロセス独自のウォーター・クエンチ(WQ)方式を活用した超高強度冷延ハイテンの「WQウルトラハイテン」シリーズのうち、高加工性1320MPa級超高強度冷延ハイテンがホンダの北米向け『フィット』『CR-V』のバンパーレインフォースメント(バンパーR/F)用として採用されたと発表した。冷間成形加工によるバンパーR/Fの強度としては、世界最高レベルとなる。

バンパーR/Fは、自動車の前面からの衝突時の衝撃荷重を受け止めるため、高強度化しているが、高強度化すると、成形加工が困難になること、遅れ破壊が発生する懸念があることから、これまでは980 - 1180MPa級ハイテンの使用にとどまっていた。また、高強度鋼板の冷間成形加工以外によるバンパーR/Fへの使用については、これまでホットプレス工法やアルミニウム押し出し工法が採用されたケースがあるがが、生産性や製造コストで課題があり、適用範囲は限られていた。

同社は、独自のWQ方式連続焼鈍プロセス(JFE-CAL)を活用して、加工用薄鋼板としては世界最高強度レベルの1320MPa級鋼板を開発した。この開発鋼板は、成形加工時の最大の課題であった加工品の寸法精度を、WQハイテンのメリットのひとつである材質の均一性により克服した。また、遅れ破壊の課題に対しては、開発鋼板の遅れ破壊が発生する使用条件を定量データベース化することで、遅れ破壊を防止できる部品設計を可能にした。開発鋼板を採用することで、従来のバンパーR/F部品と比較して、10 - 15%の軽量化が実現できる。

1320MPa級超高強度冷延ハイテンは、バンパー部品以外にもドアインパクトビームや車体骨格部品など、高強度鋼板が求められる用途への展開も見込める。

同社では今後も、自動車シート部品やボディー部品などについても更なる高強度・高性能な材料の開発を進め、自動車メーカーと一体となった高強度鋼板の適用技術開発によって、軽量化をはじめとするあらゆるニーズに対応していくとしている。

《レスポンス編集部》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「鈴鹿8耐」最注目のヤマハ車は完全新作の『YZF-R9』! 150万円を切るなら「ブレイクの予感」しかない
  2. 新型アウディ『Q3』のインテリアを公開、「コラム式シフト」と新デジタルコックピットが目玉に
  3. 高速道路初、「コールドストーン」のパフェアイスクリーム自販機が登場…関越道高坂SA
  4. 新世代MINI『クーパー』と『エースマン』に全身ブラックの「モノクローム」登場
  5. もしも「タイプ992」が初代911をオマージュした世界線だったら…? ウクライナのデザイナーが再解釈
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
  4. スズキ初のBEVはなぜ「軽EV」じゃない?『eビターラ』開発者が語る「EVの悪循環」と「スズキの強み」
  5. 湘南から走り出した車、フェアレディZやエルグランド…日産車体が量産終了へ
ランキングをもっと見る