スズキの鈴木修会長兼社長は5日の2009年3月期の第3四半期決算発表の席上、自動車各社が苦しんでいる製品の過剰在庫について「たまたま2007年あたりから在庫を減らすよう取り組んできた」と述べ、「過剰にはならない」との見通しを示した。
鈴木会長によると、4輪車を主体とする在庫は08年末で1年前の同時点より金額ベースでおおむね600億円圧縮されているという。今年3月までには前年同期比で1000億円程度の減少になるとの予測も示した。
スズキは今期中に、当初計画に比べ国内外で約15万台の4輪車生産を減産する。これは主に需要の急激な縮小に対処するものとなる。
鈴木会長は同社の09年3月期業績が大幅な減益となるものの、黒字を確保することについて「大手の出ないインドで早くから事業を展開したことや、国内も軽自動車が主体だから」とし、今期の黒字確保は「偶然」と評価した。
しかし、早期に在庫の積み上がりに着目するなど、業界最年長トップの実力も垣間見える。