東洋ゴム工業は、業績悪化や世界的な景気減速、円高など経営環境が悪化しているのに対して需要量に見合う生産体制の構築と構造改革により、早期に収益改善を目指す取組みをまとめた。
計画の骨子は、減産に対応した適正な生産体制の構築、国内・海外生産の選択や内製・外製の選別による支出の削減、低成長時代の環境下でも勝ち残れる体質へ構造改革で、来期には業績の回復を目指す。
タイヤ事業では、国内・海外生産体制を見直す。海外拠点も含めた生産品種の入替え・集約などで効率化を図り、最適生産体制を構築するとともに、減産に見合う直接人員の削減と間接人員の直接人員化を進める。
ダイバーテック事業では、国内・海外生産体制を整備する。国内は拠点統合、自動車部品補給専門工場の運営、海外拠点も含めた生産品種の入替え・集約などで効率化を図る。減産に見合う直接人員の削減と間接人員の直接人員化を進め、操業短縮及び稼動形態の変更を行う。
昨年9月末時点で直接人員は約5100人いたが12月末までに非正規社員を中心に300人を削減、さらに追加で今年3月末までに500人削減する。2009年度の自動車生産計画や景気悪化の状況によって、さらに800人規模の追加削減を検討する。
また、2008年度からスタートした中期経営計画での3か年累計の投資計画1040億円は、540億円に圧縮し、タイヤ生産能力の増強計画を見直し、現状規模の供給能力を維持する。計画中の北米タイヤ工場の第3期生産能力増強投資は圧縮し、アジア生産拠点設立についても延期する。
国内・海外の工場・販売会社でのタイヤ在庫金額を2010年3月末までに40億円削減する。余剰資産及び事業の売却・販売拠点、物流拠点、関西圏の事務所統廃合を行い、跡地を売却する。これらの取り組みで有利子負債を昨年末の1347億円から2011年3月末に1200億円以下に削減する。
このほか、東京モーターショーなどのイベント出展中止、テレビコマーシャル・屋外看板などの見直し、モータースポーツ活動の得意分野への集中など、経費を削減する。テレビ・電話会議により国内・海外共出張を削減、国内の宿泊を伴う出張の原則禁止などで旅費交通費を削減する。役員車は半減し、交際費の大幅削減、年末年始工事の平日化による修繕費の圧縮など全ての経費を見直し削減する。
役員と管理職の報酬の削減幅も拡大、組合員も削減する方向で労組と協議する。国内・海外の販売子会社について全社員約1割に当たる200人を2010年3月末までに削減する。