大矢アキオ『喰いすぎ注意』…キターッ! アルコール菓子で運転禁止?

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大矢アキオ『喰いすぎ注意』…キターッ! アルコール菓子で運転禁止?
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しかし事実はそうではなかった。一般的な飲酒による事故多発を問題視したイタリアの運輸委員会が行政処分の対象アルコール濃度を0gにまで厳しくする案を発表したのがきっかけだった。それに対し、ある下院議員が行き過ぎだとし、「このままでは『ババ禁止法』だ!」と、法改正に異議を唱えた、というのが本当だった。

「アルコール菓子を食べただけのドライバーまで処罰される危険性をはらむ。それよりも基準値はそのままに、取り締まりの頻度を上げるほうが効果的である」というのがその議員の意見だ。決定的となる科学的データがない時点で、ババが運転にどう作用するか断定はできない。

しかしボク自身は「ババ」は駅のバールで「ほいッ」と手渡してくれるものを買い、列車内で食べるほうがいいと思っている。砂糖入りリキュールは、安っぽい包み紙などすぐに透過する。したがって、たちまち両手はベタベタになる。それでも香りをプンプン漂わせ、周囲の客の羨望の視線を一身に集めながら、食べる。これがうまい。

シートに垂れたりステアリングを汚れたりすることを気にしながらクルマの中で食べるのは落ちつかないし、車内に残る強い香りで検問の際にあらぬ疑いをかけられるのも馬鹿馬鹿しいではないか。李下に冠を正さずである。

ちなみに標語文化が日本より希薄なイタリアだ。たとえ「ババ禁止法」が成立しても、「ババ喰うなら乗るな・乗るなら喰うな」「お父さん、ババを食べずに無事故だね」といった看板が突如現れ、絶景をぶち壊す心配はなかろう。

喰いすぎ注意

筆者:大矢アキオ(Akio Lorenzo OYA)---コラムニスト。国立音楽大学卒。二玄社『SUPER CG』記者を経て、96年からシエナ在住。イタリアに対するユニークな視点と親しみやすい筆致に、老若男女犬猫問わずファンがいる。NHK『ラジオ深夜便』のレポーターをはじめ、ラジオ・テレビでも活躍中。主な著書に『カンティーナを巡る冒険旅行』、『幸せのイタリア料理!』(以上光人社)、『Hotするイタリア』(二玄社)、訳書に『ザ・スピリット・オブ・ランボルギーニ』(光人社)がある。
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《大矢アキオ Akio Lorenzo OYA》

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