【プリウス プロトタイプ 試乗】オーリス 譲りの安定性と居住性…松田秀士

試乗記 国産車
【プリウス プロトタイプ 試乗】オーリス 譲りの安定性と居住性…松田秀士
【プリウス プロトタイプ 試乗】オーリス 譲りの安定性と居住性…松田秀士 全 5 枚 拡大写真

ホンダ『インサイト』はエンジンと直結した1つのモーターが発電と駆動の両方をこなす「IMA」と呼ばれるマイルドHV(ハイブリッド)。対するトヨタ『プリウス』は発電用と駆動用の2つのモーターを装備する「THS-II」と呼ばれるフルHVに種別される。  

このシステムの特徴は、インサイトがエンジン主導型(モーターはエンジンと常に一緒に回る)なのに対して、プリウスではプラネタリーギヤ(動力分割機構)を介してエンジンとモーターとを一緒にも個別にも駆動させることが出来る(+発電機)。  

プリウスがこの方式を採用する理由は、可能な限りエンジンを停止させることが出来るからと、将来のプラグインHVへの移行がスムーズに行えるからだ。  

インサイトでは、モーターやバッテリーのシステム重量を落として軽量化し燃費性能を稼いでいる。その結果、モーター出力などは落としているのだ。  

対するプリウスは、リダクションギヤ(トルク増幅ギヤ)の採用を含めてモーター出力を上げエンジンも1.5リットル→1.8リットルへと排気量アップしシステム出力は136ps(+23ps)となった。エンジンの排気量アップによって、高速走行時のエンジン回転数を約15%低くすることでこれまで苦手とした高速燃費を向上させている。他に、エアロダイナミクスもCd値0.25というすさまじい値だ。  

しかし、今回のプロトタイプ試乗で見えてきた進化は、『オーリス』をベースとした車体の安定性の高さ居住性の良さだ。とにかく静かで乗り心地が良い。ショートサーキットランでは相変わらず重くバンプラバーに頼っているが、ロール剛性をアップしたサスペンションがしっかりと機能していた。  

■5つ星評価 
パッケージング:★★★★ 
インテリア/居住性:★★★★ 
パワーソース:★★★ 
フットワーク:★★★★ 
オススメ度:★★★★  

松田秀士|レーシングドライバー/モータージャーナリスト/僧侶 
スローエイジングという独自の健康法で53歳の現役レーシングドライバー! SUPER GTをランボルギーニ『ガヤルド』で戦っている。INDY500など海外レース経験も豊富で、確かな知識と国際感覚でクルマの評価を行う。 2008-2009日本カーオブザイヤー選考委員。

《松田秀士》

松田秀士

成仏する直前まで元気でクルマを運転できる自分でいたい。「お浄土までぶっ飛ばせ!」をモットーに、スローエイジングという独自の健康法を実践する。これまでにINDY500に4度出場し、ルマンを含む世界4大24時間レース全てに出場経験を持つ。メカニズムにも強く、レースカーのセットアップや一般車の解析などを得意とする。専門誌等への寄稿文は分かりやすさと臨場感を伝えることを心がけている。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 【メルセデスベンツ Eクラスオールテレイン 新型試乗】Eクラスを選ぶならこれが一番。ただしお値段は…中村孝仁
  2. どこだ? 日産が7工場を閉鎖予定---可能性のある工場すべてをリストアップした
  3. 地面が光る「埋込型信号」が日本初導入、「横断歩道がわかりやすくなった」効果に期待
  4. インフィニティの中型SUV『QX60』、改良新型は表情一新…初の「SPORT」も設定
  5. マツダ『CX-5』新型、7月10日世界初公開へ
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. リチウムイオン電池の寿命を2倍に、矢崎総業、バインダフリー電極材料を開発
  2. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  3. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  4. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
  5. コンチネンタル、EVモーター用の新センサー技術開発…精密な温度測定可能に
ランキングをもっと見る