【ドイツ ミドルクラスセダン徹底比較】Eクラス・5シリーズ・A6トリプル比較試乗…松下宏

試乗記 国産車
【ドイツ ミドルクラスセダン徹底比較】Eクラス・5シリーズ・A6トリプル比較試乗…松下宏
【ドイツ ミドルクラスセダン徹底比較】Eクラス・5シリーズ・A6トリプル比較試乗…松下宏 全 38 枚 拡大写真

メルセデスベンツ『Eクラス』 E350アバンギャルド/E550アバンギャルド

7年振りのフルモデルチェンジで登場したメルセデスベンツEクラスは相当に気合の入った新型車だ。発売された時点ではパワートレインが従来からのV型6気筒3.5リットルとV型8気筒5.5リットルの2機種+7Gトロニックの組み合わせであるため、この点での新鮮さには欠けるものの、それ以外の部分では全面的に新しく作られている。

デザインは一段と躍動感のあるものになった。特にボディサイドを後方に向けて切り上がっていくキャラクターラインが躍動感を感じさせる部分だ。リヤフェンダーの膨らみはメルセデスベンツの伝統を、またフロントのツインヘッドライトはEクラスらしさを表現する。そのツインヘッドライトは、従来の丸形からシャープな形状に変更された。テールランプにはLEDが採用されている。

インテリアは操作系に大きな変更が加えられた。といってもSクラスがすでに採用しているものだが、センターコンソールにシフトレバーがなく、ステアリングコラムに設けられたセレクターレバーでDレンジを選び、ギアの選択をしたい場合にはステアリングの裏側のパドルを操作する方式だ。

センターコンソールにはダイヤル式のコマンドコントローラーが配置され、カーナビやオーディオ、エアコンなどを操作する仕組み。この操作もかなり分かりやすいものになった。

◆乗り心地はAIRマティック装備のE550に分があり

従来と同じパワートレインを採用しているので、走りのフィールに大きな違いはないかと思っていたら、電子制御7速ATの7Gトロニックの変速フィールは格段に洗練されたものになった印象になっていた。

市街地などをDレンジのままで走っているときには何速で走っているかが分からないくらいにスムーズに変速するし、ワインディングなどで積極的にパドルを操作するときも、深いなショックを感じさせることなく滑らかに変速していく。このスムーズさは特筆モノだ。

動力性能はE350アバンギャルドに乗ると、もうこれで十分という感じ。静かで滑らかに吹き上がり、気持ち良くトルクが盛り上がっていくからだ。アクセルを踏み込めばパワーの伸びも上々だ。今回のEクラスは少しボディが大きくなったが、車両重量はほとんど増加していない。これも気持ちの良い加速の伸びに影響していると思う。E550アバンギャルドに乗れば、一段と豪快なパワーフィールと加速感が得られるが、E350で十分という印象だった。

乗り心地の面ではE350よりE550のほうが良かった。タイヤはE350が17インチでE550が18インチになるが、E550には電子制御AIRマティックサスペンションが標準装備されるため、これによる優れた乗り心地が特徴とする。しかもコンフォートとスポーツを切り換えれば、メリハリの効いた乗り味を味わうことができる。

新型Eクラスで室内の快適性の向上や安全性の向上も注目されるところ。厳選された自然素材を使ったインテリアは質感にあふれたものだし、余裕十分の後席居住空間などもEクラスの存在意義を感じさせるものだ。

安全装備については、今回のEクラスが世界初の採用というようなものは特にないのだが、さまざまな先進的な安全装備がテンコ盛りで用意されている。このあたりはさすがにメルセデスベンツと思わせるものがある。

装備の充実化などの魅力アップにもかかわらず、新型Eクラスの価格は抑えた設定になっていて、BMW5シリーズやアウディA6と競合するような水準にある。E550アバンギャルドは1000万円を超えるが、E350アバンギャルドは780万円の設定だ。

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 続きを読む

《松下宏》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 伝説のACコブラが復活、「GTロードスター」量産開始
  2. トヨタ『ランドクルーザー300』初のハイブリッド登場!実現した「新時代のオフロード性能」とは
  3. ようやくですか! 新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』日本仕様初公開へ…土曜ニュースランキング
  4. 【BYD シーライオン7 新型試乗】全幅1925mmの堂々サイズも「心配無用」、快適性はまさに至れり尽くせり…島崎七生人
  5. 「三菱っぽくないけどカッコいい」ルノーの兄弟車となる『エクリプス クロス』次期型デザインに反響
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  2. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
  3. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  4. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  5. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
ランキングをもっと見る