BMW『5シリーズ』 530i Mスポーツパッケージ
現行5シリーズ日本でがデビューしたのは2003年7月だから、すでに6年が経過している。最近になって久々に5シリーズに試乗したが、クルマのデキは少しも古くなった感じがなく、むしろ熟成が進んで良くなった面がいろいろと感じられた。インテリアの雰囲気など、部分的には6年の歳月を感じさせる部分はあるものの、全体としては今でも立派に通用するクルマという印象だった。
試乗したのは530i。搭載エンジンは直列6気筒3.0リットルの自然吸気DOHCで、200kWのパワーを発生する。この数値はメルセデスベンツEクラスに搭載されるV型6気筒3.5リットルエンジンと同じだ。トルクこそ排気量の違いが響いてやや劣るが、排気量が500ccも少ないのに同じパワーを発生しているのが凄い。
しかもその吹き上がりはBMWのシルキーシックスの伝統を受け継ぐものだ。直列6気筒ならではの軽快な吹き上がりで、アクセルを踏み込んでいくときれいにタコメーターの針が立ち上がっていく。この気持ち良さはほかのエンジンでは得られないものだ。
最高出力を発生する回転数はやや高めだが、そこまできっちり回る上に回したときのパワーフィールに優れるので、とても気分良く走らせることができる。ATは6速でEクラスに比べると1速少ないから、多少は変速ショックが大きめになるが、それでもこのレベルの変速フィールなら文句ないという感じ。
◆洗練が進んだシャシー アクティブ・ステアリングは好印象
今回改めてBMW5シリーズに試乗して感じたのはシャシーの改良が進んでいたことだ。試乗車にはMスポーツパッケージが装着されていて硬めの足回りになっているはずなのに、乗り心地が意外に悪くなかった。3シリーズのMスポーツパッケージは少々ハードな乗り味だったが、5シリーズともなると乗り心地にも配慮しているようだ。
さらにアクティブステアリングも印象が大きく変わっていた。デビューした当初は物凄くキビキビした印象があって、操舵感が敏感すぎる感じだったが、これがかなりマイルドなものになっていたからだ。違和感を感じさせることなく、アクティブステアの良さを出せるようになったようだ。
Eクラスがパワートレーンをキャリーオーバーしているだけに、走りに関して言うとE350と530iとの間にはほとんど優劣がないくらいの印象。フットワークの軽快さやアクティブステアでは530iが優位に立つが、E350も7Gトロニックやどっしりした感じの操縦安定性で優位に立つ。この選択は比べて選ぶというより好みによる選択ということになる。
なお530iの車両本体価格は780万円で、メルセデス・ベンツのE300アバンギャルドと同じ価格である。今回の試乗車はMスポーツパッケージなどたくさんにオプションが装着されていて、車両価格ベースで約950万円。熟成が進んだパワートレーンとハンドリングはEクラスやA6とは異質の魅力。ここに価値を見いだせるなら、5シリーズを選ぶ理由は十分にあるはずだ。




