【ドイツ ミドルクラスセダン徹底比較】今なぜ5シリーズか…BMWのエンジニアリングからフィロソフィーまで
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最近BMWが積極的にアピールしているのが、「EfficientDynamics」というコンセプトだ。簡単に言えば環境性能と走りの両立を訴えるものだが、BMWのそれは通り一遍の環境コンセプトではない。
BMWにとって「EfficientDynamics」とは、一部の特定車種に特殊な技術をもって環境性能の向上を目指すものではない。バルブトロニックに代表される最新のエンジン技術、軽量化、空力性能といった基本性能を、全てのモデルに採用し、あくまで全体として燃費を改善していく、CO2を低減していくことを目指す。事実欧州では、1995年から2008年にかけて欧州で販売したニューモデルのCO2排出量を27%近く削減し、最も環境にやさしいプレミアム・メーカーという認知をされている。
また空力デザイン。車体底面はBMW共通の特徴として空気の流れを妨げないフラットボトムデザインで、ボディ後端のリアコンビネーションランプには整流効果のある形状を採用するなど、5シリーズは優れたCd値(空気抵抗係数)を達成している。
もちろん、クリーンディーゼルやハイブリッド、そして水素エンジン車の『ハイドロジェン7』に代表されるように、新たなパワートレインの研究開発も積極的だ。そしてそれらは単に環境性能に優れるのみならず、ドライバーが意のままに操れる『駆けぬける歓び』を重視していることは言うまでもない。BMWは常にこうした二律背反したものの両立を目指し、乗り越え続けてきたメーカーといえる。そしてその姿勢はこれからも変わることはないだろう。
◆熟成された最新の5シリーズ
ここであらためて現在販売中の5シリーズを見てみよう。先に触れたように過去6年間、外観を大きく変更していない5シリーズだが、2007年には内外装の一部や装備を変更するマイナーチェンジを実施している。佐藤氏は「いちユーザーとして客観的に競合車を見渡しても、5シリーズは高い完成度を持った、素晴らしいクルマだと思います。それは、5シリーズがエレガントかつスポーティなデザインを持ち、革新的な技術を採用し、成熟されたモデルだからです。」とその自信を語る。
具体的にはデザインを一新して操作性の良くなったシフトレバー、そしてiDrive、ナビの目的地など頻繁に使用する機能を瞬時に機動することが可能なプログラマブル・ボタン、ランフラットタイヤの進化によってまったくネガのなくなった乗り心地。まさに熟成の極みにあるモデルと言える。
◆まずは試乗を
とはいうものの、ここで言葉をきわめて説明したところで、1度ステアリングを握って体感するほどの納得は得られないだろう。佐藤氏は「走りについては言葉では伝わらないところがありますから、ぜひ一度ディーラーで試乗し、体感し、理解していただきたい」と言う。乗ってみて初めて分かるという経験は、クルマ好きなら誰にでもあることだろう。
佐藤氏はBMWジャパンとしての姿勢をこう説明する。「お客さまがディーラーで試乗できる環境作りはメーカーとしても心がけているところ。また1シリーズから最上級セダンの7シリーズまで、クラスやグレードに関係なく、どんなモデルにもご試乗していただくというのは、私たちの自信の表れでもあります。それぞれキャラクターは異なりますが、根底にある50:50の重量配分といったBMWならではのこだわりは、どのモデルでも感じていただけると考えています」。
この7月から「グリーン・サポート27 特別低金利キャンペーン」がスタートした。このキャンペーンは、BMWグループがヨーロッパで27%減という自動車メーカートップのCO2排出量削減を実現したのを記念して実施されるもの。5シリーズを含むBMW全車種が対象で、9月末日までに成約かつ新規登録を済ませることが必要だ。
3割近いCO2削減は、高効率パワートレインの搭載だけではなく、軽量ボディや空力性能の追求といった総合的な取り組みなくして実現し得なかったことと言える。環境に対する取り組みとしてのEfficientDynamicsコンセプトの正しさが実証された結果とも言える。内容としては18インチアルミホイールなどのスポーティな装備をセットにした「M Sports パッケージ」あるいはダコタレザーインテリア等でエレガントな仕様とする「Hi-Line パッケージ」を新車購入時に無償で装着できる。さらに2.7%特別金利ローンや購入支援金サポートといったサービスもあり、今や完成型と言える5シリーズを検討する絶好のチャンスとなっている。
◆目指すところにブレがない
このミドルクラスセダン市場において、今や唯一直6エンジンや重量バランスにこだわり続けるBMW 5シリーズ。あらためてそこから感じられるのは、やはり「駆けぬける歓び」あるいは「EfficientDynamics」というブランドフィロソフィーやコンセプトに象徴されるブレのなさだ。エンジンやシャシーといった「素材」にこだわり、磨き抜くBMW独自のエンジニアリングは、時代や時流がどう変わっても新鮮な感動を呼び覚ます。
年月を経ないと価値が見えてこないものが世の中にはあるが、5シリーズはまさに時を経て、その真価が明らかになったモデルと言えるだろう。
【関連リンク】BMW 5シリーズ公式サイト
《丹羽圭@DAYS》