PNDの最もベーシックなカテゴリーである3.5インチクラスの分野で、使い勝手を追求したUIと確かな自車位置精度で着実な支持を積み重ねてきた海外ブランドがGARMINだ。最量販の『nuvi250』シリーズの後継として、この春『nuvi205』が登場。このモデルの狙いとは、そして今後の商品戦略は。GARMIN製品の日本語版製品正規代理店であるいいよねっとの高橋玉樹氏に、話を聞いた。
◆GARMINの最量販モデル
----:PNDは日本のマーケットでも急成長していますが、同時に非常に厳しい価格競争にさらされるカテゴリーでもあります。こうした状況のなかで新モデルの『nuvi205』に課せられた役割とはなんでしょう?
高橋:旧モデルの『nuvi250/250Plus』は、シンプルな機能とデザイン、優れた自車位置精度をコンパクトなボディに凝縮して高いコストパフォーマンスを実現したGARMINの最量販PNDでした。国内でも『価格.com』の2008年満足度ランキング3位にランクされるなど、おかげさまで好評だったのですが、部品供給の都合で生産終了となりました。その後継モデルとして投入したのがこの205です。250と同様、量販モデルとしての位置づけられていますので、より使いやすく便利な機能を盛り込みました。
----:旧モデルの250/250Plusとの差別点は。
高橋:筐体デザインは250を踏襲していますが、ボディ色がガンメタ調になり、カードスロットをSDからmicroSDに変更したりと若干の変更が加えられています。
----:ソフトウエア部分はどのような改良が加えられていますか。
高橋:レーン情報の表示に対応したこと、GPSログの保存が可能になったこと、検索データを入れ替えてよりヒット精度を高めたことがポイントですね。08年に投入した上位モデル『nuvi900』や『nuvi205W』から対応したGoogleの画像投稿サイト『Panoramio』との連携機能も205で利用できます。
◆シンプルなナビ機能を欲するユーザーは多い
----:ウリでもある海外地図対応や世界に受け入れられたシンプルなUI、さらに軽量・コンパクト・ハイコストパフォーマンスという、205はまさにGARMINを象徴するモデルです。nuviを日本に投入してから2年半以上が経ちましたが、GARMIN製品に対するユーザーの認識の変化は感じますか。
高橋:少しずつですがGARMINのブランドが定着しつつあることは実感します。シンプルなナビ機能を欲しいてる人が少なからずいて、そうした方々にnuviの良さをご理解いただけるようになったのは当社としても大変ありがたいです。
----:08年はワンセグ搭載のnuvi900やワイドスクリーン採用のnuvi205Wといった上級モデルも出しましたが。
高橋:国内メーカーと直接競合する5万円クラスの高付加価値PNDのカテゴリーで勝負するというのは、GARMINのような知名度に劣る海外ブランドにとって厳しいというのは実感できました。250の生産終了を機に、改めてGARMINのシンプルさ、割り切りの良さを理解いただける205をリリースできたというのはいいタイミングかも知れません。