ソニーの参入はプラスに作用
----:ソニーがこの春、3.5インチ市場に新製品(『NV-U3C』)を投入し、nuvi205と同じカテゴリーに参入しました。
高橋:ソニーさんが3.5インチを出すと聞いた時は、戦々恐々としていたのです。GARMINが従来モデルで用意していたサイクルマウントやピンクのボディカラーも、U3Cではラインナップにある、ということで直接バッティングする部分がかなりありますからね。
----:日本で強力なブランド力をもつソニーですが、海外ではPNDは“ナビ”ではなく“GPS”と呼ばれ、古くからのGPS端末メーカーであるGARMINはAVブランドであるソニーよりも信頼を得ています。
高橋:フタを開けてみると、U3Cのライバルモデルとしてnuvi205を比較対象に挙げていただくことが増え、売上としてはプラスに作用しました。ナビゲーションの機能・性能とコストパフォーマンスにおいては205はU3Cに決してひけをとらない実力を認めていただけたようです。
----:ソニーの参入はこのクラスのPNDが盛り上がるきっかけを作ってくれたということですね。では、GARMINブランドはPNDにおいて独自のポジションを築けた、ということでしょうか。
高橋:とはいっても依然として厳しい状況であることに変わりはありません。PNDは参入ライバルが非常に多いですし、価格競争も厳しい。より多くの人にGARMIN製品を知っていただく機会を作り、ブランドを定着させたいですね。そのためにはやはりGARMINならではの個性を発揮させた商品づくりをしていく必要があります。
積極的なファームアップデートによる機能追加や、無償のオービス情報提供、あるいはPanoramioやGoogle Mapsとの連携機能、そして自車位置アイコンのカスタマイズといったような、ハードウェアスペックの追求というより“GARMINならではのサービスや機能”を訴求していきたいと考えています。
----:今後のモデル展開はシンプル/ベーシック路線で行くのでしょうか。
高橋:もう一度、付加価値のある分野でnuviを訴求したいと考えています。秋以降になると思いますが、いままでのnuviと一味違ったものになるでしょう。日本のお客様にどれだけ受け入れられるか、楽しみなところです。
《聞き手 三浦和也》