登場2か月後に機能追加
----:205の発表は4月でしたが、2か月後の6月には早くも機能追加のファームアップデートが実施されました。
高橋:250時代からのユーザーのご意見を反映させました。具体的には、ルート探索時に「有料優先」「一般優先」の設定が可能になり、コンビニやガソリンスタンドなどのPOIアイコンの出し分けに対応しています。これらの機能追加は上位モデルの205Wにも反映されています。
----:従来は「回避」という発想でした。
高橋:そうなんです。一般道路優先で走りたいならばナビゲーション設定の「回避」項目で「有料道路」にチェックを入れればいいのですが、やはりこれでは分かりづらいというご指摘をいただきました。アイコンの出し分けについても、一定のスケールになるとすべてのアイコンが表示されていたのですが、“地図をすっきり見たい”という声に対応しています。今後も機能改善の要望は可能な限り反映させていければ、と考えています。
----:iPhoneの例が顕著ですが、ソフトウェアの機能向上で商品力を維持させる方向性は重要ですね。では、GARMIN製品の特徴でもある海外対応ですが、海外地図のラインナップはここ1年でさらに充実しました。
高橋:当社が扱っている日本語版の海外地図については、東南アジアや中国など、アジア圏の充実を図りました。特に中国は政府の縛りがあって、GPS機器によっては地図の表示位置がずれてしまい、正しくナビゲーションできないものもあるのですが、現行モデルのnuviシリーズについてはすべて対応しています。ただ中国地図をリリースできたのは需要を期待していた北京オリンピックのあとだったのが残念です(笑)。
----:来年は上海の万博もありますので、また需要も増えてくると思います。
◆2008年は世界シェアをさらに伸ばした
----:某ビジネス系のテレビ番組では、“外資ブランドの席巻”というテーマで、カーナビ分野の代表としてGARMINが紹介されました。そのグラフでは世界PNDシェアの36%あまりをGARMINが占めているというグラフが出されていました。
高橋:英国のマーケティング調査会社CANALYSによるレポートでも、08年のPNDシェアは33%あまりでトップの座を守っています。この不景気でも全世界で売上を着実に伸ばしています。
----:世界市場でのライバルであるTomTomは比較的早い時期から通信連携を取り入れるなど、高機能志向を強めつつありましたが、08年、GARMINはTomTomとの差をさらに広げました。消費者のニーズはGARMINに向いていたということでしょうか。
高橋:新しい機能を次から次へと盛り込むのではなく、ある種のプリミティブさを守りながらもユーザビリティの向上を目指して常に進化しつづけた結果がこの差を生んだのだと思います。
特に日本のPNDは、ジャイロセンサーや加速度センサーを積んだり、通信機能をつけたり、液晶を大型化・高解像度するなどして高付加価値を目指しています。実際5万円台から6万円の高機能PNDはかなりの人気です。逆に我々としては高付加価値PNDの普及に伴って、軽量コンパクト・シンプルUIというnuviの立ち位置が明確になったと感じています。特に205については、“そこまでの機能はいらない。すぐにでも使えてしっかりとナビできるPNDが欲しい”というユーザーの受け皿になっているのでしょう。