【東京モーターショー09】ホンダ EV-N…なぜ今「N」なのか?

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EV-N
EV-N 全 6 枚 拡大写真
ホンダは第41回東京モーターショーに『EV-N』というコンセプトカーを出品する。当然名前から想像できるように『N360』のデザインモチーフを用いた電気自動車である。

では、なぜNなのだろうか。「特徴的な部分は確かにNのイメージを使ってはいますが、よく意識して見てもらうと全然Nには似てません」と話すのはデザイン開発室第1ブロック2スタジオ研究員、田中義朗さん。

「このクルマでやりたかったのは、初代のNが持っていた、機能的でありながらダイナミックであるというようなところを、電気自動車で今の時代に合った提案をしてみることです」という。

同じデザイン開発室第1ブロック2スタジオの住吉芳奈さんは「目指したところは、すごく近い未来で、もっとすんなり生活に取り込める、電気になることで身近に接することができるもの。より人にやさしいとか、人に近づいて常に馴染めるような、そういうデザインが良いと思ったのです」。

「全長は当時のN360よりも短いんです。背は少し高く幅も広いが全長は短い。なので比率的には全く別物。横に並べると全然違うんです。エッセンスだけを持ってくることで誰が見てもNとわかるという面白い関係。そして、N360を見たときの“ちっちゃい!”という感覚を入れ込みました」と話す。

田中さんも「コンパクトな電気自動車をつくってみよう考えたのがそもそものスタートです。今の時代に電気自動車を普及させたい、身近に置きたいとなった時のデザインは、未来的なものが良いのか、それとも暖かみのあるデザインが良いのかという議論の中で出てきたのがこのデザインなのです」。

そして、「外見はパッケージで決まります。人間4人を移動させるためのミニマムな塊りを考えたうえで、小さいけれども頼もしい形を外観においては作っています。また、インテリアは効率的でありたいとうところから、シンプルで省資源であったり機能的であったりというものをつくりましたが、それだけではない心地よいインテリア空間を目指しています」と。N360が持っていた優れたパッケージングが再度現代に蘇ったといえるだろう。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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