ピニンファリーナが主力工場を売却

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経営再建中のピニンファリーナは15日、車体製造部門のグルリアスコ工場の売却計画について発表した。

グルリアスコ工場の不動産は、国内の投資ファンド「フィンピエモンテ・パルテチパツィオーニ」に売却する。売却金額は1500万ユーロ(約19億9500万円)。また工場内の工機類は、イノベーション&オートインダストリー(IAI)社に200万ユーロ(約2億6000万円)で売却することで仮契約した。

グルリアスコは、ピニンファリーナが所有する国内3工場のひとつで、板金および塗装設備を擁する主力拠点。現在、アルファロメオ『スパイダー』やフォード『フォーカスCC』などを製造している。

フィンピエモンテ・パルテチパツィオーニは、トリノを州都とするピエモンテ州が経営する投資ファンド。いっぽうのIAIは、実業家ジャンマリオ・ロッシニョーロ氏と一族が経営する企業である。同社は工機に加えて、ピニンファリーナの工場従業員875名・事務系従業員25名の計900名も引き受ける予定。

権利の移転は、2009年12月31日までに完了する計画である。ただし今回の売却には、グルリアスコ工場内にある有名な風洞は含まれていない。往年の先進技術の象徴は、とりあえずピニンファリーナ側の手に残ったかたちだ。

トリノでは、8月にベルトーネ生産部門のフィアットへの売却が決まったばかり。オープンやスポーツモデルなどニッチ車種の受託生産は、戦後カロッツェリアが近代産業として飛躍するきっかけになった。しかし今日、そうした生産設備をいかに早く処分するかがカロッツェリア存亡の鍵を握っているとは、皮肉な巡り合わせといえる。

《大矢アキオ Akio Lorenzo OYA》

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