民間調査会社のオートデータ社は3日、10月の米国新車販売の結果を公表した。総販売台数は83万8052台で、前年同月比はプラスマイナスゼロ。9月の22.7%減からは持ち直したが、昨年10月は金融危機の影響で大きく販売台数を落とした時期だけに、楽観視はできない。
米国ビッグ3では、首位のGM(サーブを除く)が17万6119台で、前年同月比は5.6%増と久しぶりのプラス。9月の44.8%減と比較すれば大きく回復した。
フォードはトヨタに抜かれて4か月連続の3位。ボルボを除いた販売台数は13万2146台で、前年同月比は2.8%増と2か月ぶりのプラスである。
クライスラーは日産を上回り、2か月連続の5位。しかし、その販売台数は6万5803台にとどまり、前年同月比は30.4%の大幅マイナスだ。
日本メーカーのビッグ3では、4か月連続で2位を維持したトヨタが、前年同月比プラスマイナスゼロの15万2165台を販売。9月の12.6%減からは持ち直した。『プリウス』が10.3%増の1万3496台、『RAV4』が10.2%増の1万3971台と売れている。
7か月連続で4位のホンダは、8万5502台を販売。前年同月比は0.4%減と2か月連続のマイナスだ。しかし、『アコード』は13.1%増の2万3210台、『CR-V』は14.7%増の1万5667台と、主力2車種は好調である。
日産はクライスラーに抜かれて2か月連続の6位。その販売台数は6万0115台で、前年同月比は5.6%増と、2か月ぶりにプラスに転じた。
韓国メーカー2社は絶好調。7位が定位置のヒュンダイは、前年同月比48.9%増の3万1005台と4か月連続のプラス。対前年同月比は全メーカーの中で、最も高い伸び率をマークする。9位のキアも45.3%増の2万2490台と、こちらも4か月連続のプラス。とくにキアの乗用車系は94.5%増と驚異的な伸び率で、低価格車を中心に販売を伸ばしているのが見て取れる。
8位のフォルクスワーゲングループ(アウディなどを含む)は、前年同月比4.2%増の2万4497台と2か月ぶりのプラス。アウディブランドは1.1%減の7358台だったが、VWブランドは『ジェッタ』の好調により、7.2%増の1万7037台と売れている。
10位には、2か月連続でBMWがランクイン。しかし、前年同月比は19.1%減の2万0641台と、2か月ぶりのマイナスだ。一方、こちらも2か月連続で11位のダイムラー(メルセデスベンツとスマート)は、1万8862台をセールス。前年同月比は9.4%増と久しぶりのプラスとなった。これはメルセデスベンツが新型『Eクラス』効果により、21.3%増の1万8198台と伸びた効果だ。
スバルは2か月連続で12位。その販売台数は1万8169台で、前年同月比は40.7%増と韓国2社に次ぐ高い伸び率を記録した。『レガシィ』が112%増の3254台、『アウトバック』が175%増の6451台、『フォレスター』が13%増の5169台と売れている。
13位のマツダは、前年同月比8.4%減の1万5068台と、2か月連続のマイナス。以下、三菱が48.3%減の3867台、ジャガー&ランドローバーが5.1%増の3042台、スズキが49.9%減の1745台、ポルシェが15.1%増の1642台と明暗が分かれた。スウェーデン2社は、ボルボが新型『XC60』効果により19.4%増の4437台、サーブは74%減の513台となっている。
10月米国新車販売は、前年同月比が横ばいと回復したかのように見える。しかし、昨年10月は大手証券会社のリーマン・ブラザーズが経営破たん(9月15日)し、それが引き金となって世界的な金融危機に発展した時期。横ばいの結果も、手放しで喜べない状況といえる。