【池原照雄の単眼複眼】リチウムイオンで猛追の韓国、日本はDRAMや液晶のテツを踏むのか

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i-MiEV
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投資額は自動車工場と同じレベル

ハイブリッド車(HV)や電気自動車(EV)に搭載されるリチウムイオン電池の量産計画が世界で相次いでいる。

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パソコンや携帯電話向けなど汎用品を含むリチウムイオン電池で日本は世界トップだが、韓国勢の猛追が目立つ。開発にも生産にも膨大なコストがかかるため、韓国は国家戦略としてこの電池事業の育成を進める。

日本の官民連携の遅れは否めず、このままでは早晩、半導体メモリーや液晶のようにトップの座を奪われることになろう。

リチウムイオン電池は、材料費、生産設備ともに金喰い虫だ。とくに自動車用は過充電や電池内部でのショート防止など安全対策に万全を期すため、生産設備への投資が膨らむ。

たとえば、年産25万台分のEV用リチウムイオン電池工場だと800億円から1000億円規模の投資が必要とされる。同じ生産能力をもつプレス・溶接から塗装、最終組み立てに至る自動車工場と、ほぼ同レベルの投資額である。

◆i を i-MiEVにするのが大変

つまりEVの場合、エンジンとミッションはいらなくなるが、電池だけで現行の車両組立工場に匹敵する投資が必要となる。生産規模が小さいと量産効果が出ないのも車両工場と同じで、三菱自動車工業や富士重工業(スバル)のEVのように高級車並みの価格となってしまう。

三菱自動車の『i-MiEV』は、来年から欧州などへの出荷を始め、2010年度には5000台を生産する計画。だが、内外の引き合いはそれを上回るペースとされ、益子修社長は「軽自動車の『i』はいくらでも作れるが、それを i-MiEVにするのが大変」と苦笑する。

三菱はジーエス・ユアサ・コーポレーション(GSユアサ)や三菱商事との共同出資会社で電池を生産しており、巨額の投資が伴う能力増は自社のペースだけで決めるわけにはいかない。ホンダともHV用電池の開発・生産会社を立ち上げているGSユアサの依田誠社長は「この事業にとって厳しいのは設備投資」と認める。

◆設備投資への手厚い支援を

汎用品を含むリチウムイオン電池は10年ほど前には日本が世界で9割のシェアをおさえていたが、08年には4割程度まで低下している。トップは三洋電機が維持しているものの、2位にはサムソンSDIが浮上してきた。今月には現代自動車傘下の部品メーカーと世界6位のLG化学が、自動車用電池パックの組立会社設立を発表した。

三洋の本間充副社長は、迷うことなく「最強のライバルは韓国メーカー」と指摘する。

なぜなら、国家戦略として電池産業を育成の対象とし「技術面、資金面で大きな支援を始めている」からだ。かつてのDRAMや液晶パネルで日本を抜き去ったシーンが再現されようとしている。

日本では伝統的な「産・官・学」によるリチウムイオン電池の開発プロジェクトがいくつか進められている。だが、すでに「商品投入してビジネスに入っている」(依田社長)段階では開発のみならず、量産そのものへの低利融資や投資減税措置など手厚い支援スキームが重要だ。遅れを取れば、世界のトップを走る自動車産業の基盤すら弱体化させることになる。

《池原照雄》

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