ドイツの著名自動車誌『アウトモーター・ウント・シュポルト』誌は、11月5日号で東京モーターショー2009をリポートしている。記事はカラー4ページで、タイトルは「イン・Eモール」(IN E-MOLL)。
本来Eモールは音楽用語でホ短調を意味するが、今回はE=エレクトリックカーにかけたものらしい。前文を読むと、期待よりも電気自動車の出展が少なかったことを表したものであることがわかる。
ページ内では日産『リーフ』を大きな写真で紹介し、スバル『ステラEV』、そしてヤマハの電動スクーター『EC-f』を最初の見開きで扱っている。
コンセプトカーのコラムでは、「存在感による、さらなる輝き」という見出しとともに、より現実的なモデルが多かったこと報じている。
そのなかでダイハツに関しては、軽コンセプトカー『バスケット』と『Deca Deca』(デカデカ)の2台を採り上げている。全長3.4mの中で展開される軽規格を解説したうえで、バスケットを多機能カブリオレと紹介。ちなみに、シートやダッシュボード形状が初代フィアット『パンダ』を思わせることには触れていない。
Deca Decaは、限られたスペースのなかにマルチメディア対応の空間を造り上げていることに触れ、大きなピラーレスドアを開けて同誌のリポーター2人で記念写真に収まっている。
リポーターはトヨタ紡織のブースにも訪れている。トヨタ『iQ』をベースにした車室空間モデル「フリーダム・コンパクト」の大型自立式テーブルを体験し、ここでも記念写真に収まっているばかりか、文末に登場させている。
日頃海外メディアに紹介されることが少ないパーツサプライヤーにまで誌面を割いているところに、今回の東京モーターショー・リポートの苦労が偲ばれる。だが、逆にリポーターは、限られたスペースに無限の空間を造り上げる日本的センスに、あらためて開眼したようだ。