ダイムラーは17日、ドイツ政府から最大900万ユーロ(約12億円)の支援を受けて、2010年から商用EVの実証実験を開始すると発表した。
実証実験は2010年、ドイツ国内で開始。メルセデスベンツの商用バン『スプリンター』をベースに、EV化した車両50台を使用して行う。
スプリンターは、最大積載量3.5tクラスの欧州商用車のベストセラーモデル。2代目に当たる現行型は2006年に発売され、現在までに累計40万台以上を販売。初代からの累計セールスは約170万台に到達している。
またダイムラーは今年9月、スプリンターに「ブルーエフィシエンシー」を投入。2009年モデルの「OM651型」2143cc直4ターボディーゼル搭載車をベースに、アイドリングストップ機能、オンデマンド方式のオイルポンプ、ピストン冷却オイルスプレーノズル、オルタネーターなどを採用した。
エンジン出力は3仕様が用意され、最大出力と最大トルクはそれぞれ、95ps/25.5kgm、129ps/31.1kgm、163ps/36.7kgm。新開発の6速MTは、1速ギアを超低速用、6速ギアを高速用に設定し、燃費の改善を図った。
また、天然ガス仕様車の『スプリンターNGT』にも、同様のブルーエフィシエンシーを新設定。「316NGT」と「516NGT」の2グレードが用意され、最大出力は150ps、最大トルクは24.5kgmを発生する。
スプリンターのEVは、モーター性能などは未公表だが、ダイムラーによると、2次電池にはリチウムイオンバッテリーを搭載するという。
50台はフリートユーザーに貸し出され、日常業務の中で、温度差によるバッテリーの実用性などを確認する。そのデータが、近い将来市販される商用EVに生かされる予定だ。