今年9月、茨城県かすみがうら市内の国道6号で大型トラックを運転中に10人を死傷させる追突事故を起こしたとして、自動車運転過失致死傷罪に問われた58歳の男に対する判決公判が22日、水戸地裁土浦支部で開かれた。裁判所は禁固6年の実刑を命じている。
事故は9月16日午前に発生した。かすみがうら市西野寺(N36.10.13.6/E140.15.40.6)付近の国道6号を走行中の大型トラックが、前方で発生していた渋滞の車列に減速しないまま突っ込んだ。トラックは最後部に位置していたワゴン車を押し潰し、車体に乗り上げるようにして停止。ワゴン車の6人が死傷、他車両の4人も軽傷を負った。
事故は運転していた59歳の男が助手席に置いていた携帯電話を取ろうとした直後に発生しており、警察は前方不注視が事故の主因として男を自動車運転過失致死傷容疑で逮捕。検察も同罪で起訴していた。
22日に開かれた判決公判で、水戸地裁土浦支部の伊藤茂夫裁判官は「事故は被告が助手席に置いた携帯電話機を探し、さらにトラックを止められる場所を探したことで、前方への注視が疎かとなったことによって発生した」と認定した。
その上で裁判官は「14トントラックを前方不注視のまま走らせるなど、無謀かつ危険な運転をした。結果として発生した事故は悲惨というしかない」として、禁固6年の実刑判決を言い渡している。