ダイレクト駆動の話題…シムドライブとJR東日本

エコカー EV
E331系電車
E331系電車 全 8 枚 拡大写真

近い将来、伝達効率に優れるなどの利点をもつダイレクトドライブ(直接駆動)を採用した乗り物が普及する時代がやってくるかもしれない。

最近発表されたSIM-Drive(シムドライブ)の先行開発車事業第1号にはインホイールモーターという直接駆動の技術が紹介された。また、いっぽうでDDM(直接駆動主電動機)という技術を採りいれたE331系電車(JR東日本)が試運転をしている。この春に動きがありそうな2つの直接駆動を見ていこう。

シムドライブ先行開発車事業第1号のインホイールモーターは、アウターローター式ダイレクトドライブ型という技術を採用する。これは「磁石の付いた回転子がコイルの巻かれた固定子の外側に配置する技術」(シムドライブ)で、外側のローターが回転しタイヤを駆動させるというもの。

シムドライブは「従来の電気自動車にみられたような、エンジン設置部分にモーターを配置し、プロペラシャフトやデフギヤを介して駆動力を伝える方式に比べ、航続距離で30%程度のばすことができるほか、車体の有効利用空間が広がったり、構造をより単純化できる」とアピールする。

JR東日本のE331系電車は、「歯車を介さずにモーターで直接車軸を駆動するDDM(直接駆動主電動機)」(同社)が採用されている。同電車はDDM採用により、伝達機構の単純化や低回転化などがはかられ、伝達効率の向上や低騒音化を実現。「乗ってみると音が静かなのがわかる」という声も。

2006年に登場したE331系電車は、試運転や営業運転を繰り返し、最近まで「メンテナンス中で車庫に入りっぱなしの状態」(同社)だったが、今月にも京葉線などで再び試運転を行なっている。車体と車体の間(連結部)にひとつの台車を配置する連節構造をもち、1両の長さを従来車よりも短くし、14両編成で同社10両編成の長さと合わせているという点も珍しい。現在同形式は1編成しか存在しない。

シムドライブは先行開発車の完成を「2011年3月をめどに」と、JR東日本はE331系の今後について「今のところ未定」としている。同時期に動き出したダイレクトドライブ採用の2つの車両、今後の動向が気になるところだ。

《レスポンス編集部》

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