e燃費の新サービス、e燃費プレミアムに使用される高精度瞬間燃費計『燃費マネージャー FCM-2000Q』は、エンジンコントロールユニット(ECU)から車両情報を詳細に読み取る端末である。
燃費マネージャーのクルマへのインストールは簡単。直射日光が当たらない場所にマジックテープで固定。コンピュータとの接続は、整備のときにテスターを接続するのに使われる自己診断コネクタにカプラーを差し込むだけでOKだ。
燃費マネージャーはどうやって、装着したクルマの燃費を算出するのだろうか。その原理自体はきわめてシンプルだ。今日のガソリンエンジン車の燃料噴射装置のほとんどは、作動時間の調節によってガソリンの噴射量を調節している。燃費マネージャーはECUの情報から、電子制御燃料噴射装置の作動時間を検出し、燃料流量と走行距離から瞬間燃費や平均燃費を計算しているのだ。
クルマのECUのプログラムがどういう仕様になっているのかということを、自動車メーカーは公表しているわけではない。燃費マネージャーを開発したテクトムが、独自のリバースエンジニアリング(制御ソフトと実際の機械、双方の動きを調べ、制御の中身を解析すること)によって、燃料噴射装置の動作コマンドを解明したのだという。もちろんそれだけでなく、水温、エンジン回転数、変速機、エアコンのコンプレッサーの作動状況など、様々な情報を収集できる。
燃費マネージャーを考案したテクトム代表の富田直樹氏は燃費マネージャーについて、次のように語る。
「燃費マネージャーはクルマの情報を高精度に取得できるのが特徴で、とくに燃費計測は実燃費とほとんど誤差がないくらい正確です。一方、情報を見る楽しさにもこだわりました。たとえば平均燃費はクルマのオンボードコンピュータがコンマ1桁km/リットルまでの表記なのに対し、燃費マネージャーはコンマ2桁まで表示します。走行距離が数百kmと長くなると、エコドライブを心がけても、コンマ1桁表示だと、燃費の変動がほとんどなくなります。2桁表示だと、そういう状況でも燃費の推移がよくわかり、エコドライブの楽しみが増すんですよ」
クルマを運転するさいに、燃料をどのくらい使っているかという情報が得られることは、エコドライブに非常に役立つ。単なる思い込みではなく、エコドライブの工夫が実際に燃料消費量の削減につながっているかどうかがひと目でわかるからだ。実際、燃費改善効果が大きいことから、第1回エコプロダクツ大賞推進協議会長賞、2003東京発明展都知事賞など、様々な賞を受賞している。e燃費プレミアムにとっても、燃費マネージャーは欠かせないテクノロジーなのだ。