トヨタ自動車は4日、2010年3月期の第3四半期連結業績を発表するとともに、通期予想を上方修正した。純利益は前回予想の2000億円の赤字から800億円の黒字(前期は4370億円の赤字)に修正した。
第3四半期の販売が計画を上回ったほか、緊急収益改善による原価低減や固定費の削減も想定以上に進んだことによる。通期の世界販売は前回より15万台多い718万台(前期比5%減)に修正した。
一方で、フロアマット問題を含むアクセルペダルに関するリコールの影響も業績予想に織り込み、世界で10万台程度の販売減を想定した。
伊地知隆彦専務は、販売減による収益への影響は「さまざまな(販売)施策分を含んで、700億円から800億円になる」と説明した。また、リコールに伴う品質保証費用については今期中に新たに1000億円程度を計上する方針も示した。
第3四半期までの累計業績は、営業利益が522億円、純利益が972億円と黒字転換している。だが、2月以降の為替を円高前提としたことやリコールの影響もあって通期営業利益は200億円の赤字(前期は4610億円の赤字)予想とした。3500億円の赤字だった前回予想より、大幅な修正となった。