日産の海外向け高級車ブランド、インフィニティは19日、欧州仕様の『EX』(日本名:日産『スカイラインクロスオーバー』)と『FX』に、ブランド初のディーゼル仕様を設定すると発表した。実車は3月2日に開幕するジュネーブモーターショーで公開される。
インフィニティブランドは2009年、欧州初上陸。EXやFXをはじめ、『G』(日本名:日産『スカイライン』)など5車種をラインナップし、欧州主要15か国で、累計2000台以上をセールスした。欧州ではディーゼル人気が高いことから、日産は今回、インフィニティブランド20年の歴史において、初のディーゼル搭載車を欧州市場へ投入する。
「V9X」型と呼ばれる直噴3.0リットルV型6気筒ターボディーゼルは、ルノーと共同開発されたユニット。他社のディーゼルの多くがオールアルミ製となる中で、V9Xエンジンは、敢えてアルミシリンダーヘッドに鉄製ブロックの「CGI」(コンパクテッド・グラファイト・アイロン)を組み合わせた。
CGIは、一般的な鋳鉄ブロックと比較して、約75%上回る高い剛性を誇る。これにより、オールアルミ製エンジンと比較して、高い強度と静粛性を実現したというのが日産の主張だ。もちろん、スペック的にも申し分なく、最大出力は238ps、最大トルクは56.1kgm。クラストップレベルの最大トルク56.1kgmは、1750 - 2500rpmという低回転域で生み出される。トランスミッションは7速ATだ。
このV9X型を積む「EX30d」グレードは、0-100km/h加速7.9秒、「FX30d」グレードは8.3秒の実力。欧州複合モード燃費は、EX30dが11.9km/リットル、FX30dが11.11km/リットル、CO2排出量はEX30dが224g/km、FX30dが240g/kmだ。EGR(排出ガス再循環システム)やDPF(ディーゼル・パーティキュレート・フィルター)も採用しており、排出ガス性能はユーロ5に適合する。
インフィニティはEX30dとFX30dの欧州販売を、今夏スタート。さらに年内には、『M』(日本名:日産『フーガ』)の欧州投入に合わせて、同じエンジンを積むディーゼル仕様を設定する計画だ。