ボルボのエントリーモデルとなる『C30』は2009年に4気筒2.0リットルエンジン+パワーシフトの組み合わせを採用してパワートレーンを一新したが、2010年には前後のデザイン回りを中心に改良を実施した。
C30はボルボが従来から持つイメージとはやや異なるクルマであるため、ユーザーへの浸透に課題があったのも確か。これまでのC30は、フロント回りのデザインが『S40』/『V50』系と共通のイメージだったので、それを一新して新しい顔つきに変更された。大きくなったアイアンマークやバンパー形状が強い存在感を示すようになった。同時にリヤビューも手が加えられた。
メカニズム部分には大きな変更はないが、パワーシフト車は制御の変更でレスポンスを改善し、坂道での発進時にクルマが後退しにくいようにするなどの改良が行われた。
2.0リットルエンジンとパワーシフトの組み合わせを搭載する「2.0eアクティブ」の価格は引き続き300万円以下に設定されており、そこそこリーズナブルな価格設定。これに20万円のラグジュアリーパッケージを装着すると、本革パワーシートや17インチアルミホイールなど充実した仕様のクルマになるので、オプション装着を必須ものと考えたほうが良い。
直列5気筒2.5リットルのターボ仕様のエンジンを搭載する「T5」は、足回りを強化して、よりスポーティな走りを実現した。C30では2.5リットルターボを選ぶユーザーは少ないだろうが、スポーツ志向で選んでユーザーの期待に応える硬めの足回りになっている。
■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★
松下宏|自動車評論家
1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリーランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。