「国際オートアフターマーケットEXPO」が18日、東京・有明の東京ビッグサイトで開幕した。会場には整備関係の商品をはじめ、さまざまなカー用品が展示されている。アイデア商品も多く、その一つがワイピーシステムが開発した『消棒レスキュー』だ。
二酸化炭素を利用した簡易消火具で、シートベルトカッターとガラス破砕機能を備えた世界初の商品。2008年の発売以降、年間で約5万本と大ヒットしており、ホンダ、スバル、三菱自動車が純正用品に指定しているほど。
「08年の栃木県鹿沼市の水没事故を知り、クルマに閉じ込められて亡くなる人を少しでも減らそうと思い、開発したものなんです。カッターやガラス破砕部分は特殊合金でできているので、シートベルトはそんなに力を入れず切れますし、ガラスも簡単に割ることができます。これを備えておけば、万が一水没事故にあったとき、すぐに脱出できますし、また外部から助け出すこともできます」と消防庁OBの飛田徳雄顧問は説明する。
この商品は07年に商品化した家庭用の小さな消火具を改良したものだが、発売するまで紆余曲折があった。というのも、3つの機能がついた新しい商品だったため、消防庁では消火具としてはどうかという意見があり、何度も説明しに行ったそうだ。同社は今後、国内だけでなく海外にも販売していく計画だ。