【アジアンタイヤ 実力検証 ハンドリング編】話題の格安タイヤ「スターファイア」

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スターファイア RS-C2.0 サイズは標準装着タイヤと同寸
スターファイア RS-C2.0 サイズは標準装着タイヤと同寸 全 6 枚 拡大写真

勢力拡大が著しい格安アジアンタイヤ

今日、タイヤショップや大型カー用品店などで、アジアンタイヤの売れ行きが急激に伸びている。

アジアンタイヤとは、韓国、中国、インドネシアなどで製造されるタイヤのこと。100%地場メーカーで開発、生産されるものから、欧米のタイヤメーカーが設計し、アジアの工場で製造されるものまでさまざま。タイヤサイズも軽自動車用の13インチタイヤから、果てはスーパーカーに履かせるような22インチ30扁平タイヤまで、バラエティ豊か。すでにアジアンタイヤで揃わないサイズのほうが珍しいという状況だ。

アジアンタイヤが勢力を拡大している最大の理由は、何と言っても価格の安さだ。実際、ベーシックからハイパフォーマンスモデルまで、常識を覆すほどの激安ぶり。たとえば最高出力610馬力の重量級ハイパワーツアラー、ベントレー・コンチネンタルGTスピードの275/35R20サイズタイヤも、何と1万円台半ばで手に入ったりする。一流ブランドタイヤ1本分の値段で4本が買えてしまい、場合によっては差額で工賃まで払えてしまうのだ。

◆格安タイヤ、その実力は?

しかし、タイヤはクルマのなかでも最重要部品の一つ。いくら安くても、粗悪品で期待通りのパフォーマンスが発揮できないというのでは意味がないし、品質に深刻な問題があるようなケースだと、走るだけでも危なくさえある。そこで編集部では、アジアンタイヤを実際にクルマに装着し、一般走行においてメーカー純正タイヤとどの程度違いが感じられるか、試してみることにした。

試験車両はホンダ「オデッセイ」。純正で装着されるOEMタイヤはダンロップ「SPスポルト230 215/60R16 95V」だ。現行オデッセイは市街地、高速道路を問わず、静粛性がきわめて高いのが特徴だ。高速道路を制限速度いっぱいで巡航しても、小さい声で助手席や後席と会話することが可能である。その静粛性の何割くらいをタイヤが受け持っているか、いやがうえにも興味が増す。

◆米国設計・中国生産のクーパー社のセカンドライン「スターファイア」

OEMタイヤの対抗馬は、スターファイア(STARFIRE)「RS-C2.0 215/60R16 95V」。アメリカの交換タイヤメーカー、クーパー・タイヤ・アンド・ラバー・カンパニーが設計し、中国で生産する。スターファイアはクーパーのサブブランドである。RS-C2.0シリーズは快適性重視のモデルで、静粛性の高さや操縦安定性の良さをうたっている。なおスターファイアを扱っているタイヤ・ホイール専門店のフジ・コーポレーションでの販売価格は4本セットで2万7300円(取替工賃・廃タイヤ料別)。国内有名ブランドの同サイズ品の相場は4本セットで6万円から8万円だから、半額から1/3という図抜けた安さだ。

そのRS-C2.0をオデッセイのホイールに装着していざ発進。果たしてその違いは…。

◆ハンドリングはよりダイレクトに 法定速度では不安感なし

今回のインプレでは標準タイヤ、RS-C2.0ともに、指定空気圧の220kPaで装着した。両者の違いは、走りはじめた直後から明確に感じ取ることができる。OEMタイヤは古い舗装の上を通過するさいも、ステアリングへの微妙なキックバックは最小限に抑えられ、シートを介して伝わる振動も少ない。それに対して、RS-C2.0のほうは路面の粒子感がキャビンによりダイレクトに伝わってくるのだ。

高速でのレーンチェンジも試してみたが、若干スターファイアのほうが揺り戻しが大きいかな、と感じる程度で大きな差はないように思われた。一般的な市街地や高速道路の走行では、不安を感じるような挙動はなかった。

《井元康一郎》

井元康一郎

井元康一郎 鹿児島出身。大学卒業後、パイプオルガン奏者、高校教員、娯楽誌記者、経済誌記者などを経て独立。自動車、宇宙航空、電機、化学、映画、音楽、楽器などをフィールドに、取材・執筆活動を行っている。 著書に『プリウスvsインサイト』(小学館)、『レクサス─トヨタは世界的ブランドを打ち出せるのか』(プレジデント社)がある。

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