5月1日に開幕する「上海エキスポ(万博)2010」。GMと中国合弁パートナーの上海汽車の共同パビリオンが完成し、12日、報道陣に披露された。
GMと上海汽車のパビリオンのテーマは、「2030年」。自然と車のボディにヒントを得たという円形の建物では、20年後のモビリティを紹介する。そのハイライトがメインステージで行うショー、「Drive to 2030」だ。
このショーには、GMと上海汽車が共同開発したEVコンセプトカー、『EV-N』が出演。EV‐Nは、未来のEVシティコミューターを提案したモデルで、2輪2シーターのボディは、全長1500mmとコンパクト。カーボンファイバーなどの素材を使い、車両重量は500kg以下という軽量さだ。道路占有面積を減らし、環境負荷を減らそうというアイデアである。
EV-Nの技術面のトピックが、GMと電動立ち乗り2輪車で有名なセグウェイ社が2009年4月に発表した、プロジェクト『PUMA』(パーソナル・アーバン・モビリティ&アクセスビリティ)の発展形という点。EV-Nは最新の2ホイールバランス技術を導入し、2輪でも安定した走行性能を発揮するとともに、2輪それぞれにモーターを内蔵する。2次電池はリチウムイオンバッテリーで、最大航続距離は40km程度。充電は家庭用コンセントからも行える。
さらにEV-Nには、GMの「オンスター」や「V2V」(ビークルトゥービークル)技術を搭載。オンスターによる衛星を使ったナビゲーション&緊急通報システム、V2Vによる自動運転や衝突回避などを可能にしている。
EV-Nには、3タイプを用意。GMの欧州部門が手がけた『Jiao』(プライドの意)、米GMのカリフォルニアデザインセンターが設計した『Miao』(マジックの意)、GMのオーストラリア部門、ホールデンが手がけた『Xiao』(笑いの意)という3つの個性が、ショーの主役だ。
EV‐Nは、5月1日から10月31日まで、上海エキスポ2010で一般公開。果たして、GMと上海汽車が描く2030年のモビリティは、実現するだろうか。