気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2010年4月27日付
●EV普及へ各社加速、タクシー運行開始・自治体補助金も拡大(読売・8面)
●車世界生産台数、4社がプラスに、09年度(読売・8面)
●日立、赤字半減1100億円に、3月期、コスト削減が奏功(読売・8面)
●普天間移設「真剣な提案受けた」米国務次官補、協議入り明言(朝日・1面)
●トヨタ、鋼材値上げ容認、原料高騰受け幅圧縮要求へ(毎日・8面)
●内閣支持率22%本社・FNN合同世論調査(産経・1面)
●EV販売中国に熱視線、VW、支援策見越し専用車投入へ(産経・9面)
●高速料金で前原氏と小沢氏、食い違い「ない」馬淵国交副大臣(産経・11面)
●トヨタから自立も、郵便事業会社のカイゼン正念場(東京・8面)
●工場稼働GW返上で、半導体はフル操業、自動車関連も休業縮小(日経・3面)
●家庭用エアコン、三洋、開発、生産撤退へ(日経・11面)
●スズキ印子会社最高益、前期純利益556億円、乗用車販売28%増(日経・11面)
●日産・米GEが共同研究、次世代送電網(日経・11面)
●富士重、赤字が縮小、前期最終170億円、米で販売好調(日経・15面)
●GSユアサ、最高益、前期純利益、年6円配に(日経・15面)
ひとくちコメント
国内の大手自動車メーカー8社が2009年度の生産・販売・輸出実績を発表した。それによると、国内と海外をあわせた世界総生産台数は前年度比0.2%減の1970万台と2年連続で減少。このうち、国内生産は同10.4%減の856万台で31年ぶりに900万台を割り込んだ。
きょうの各紙が経済面などで取り上げているが、見出しを比べるとそれぞれ焦点が異なっているのが興味深い。
「国内生産900万台割れ」と国内生産が大幅に落ち込んだことを中心に報じているのが毎日と東京。これに対し、読売、朝日は「自動車4社増産」と、世界生産台数でトヨタ自動車、日産自動車、スズキ、マツダの4社が2年ぶりに前年度を上回ったことを強調している。
産経は国内が900万台割れとなったものの、国内販売は5社がプラス、海外生産も中国での大幅増産がけん引して6社がプラスとなるなど「復調の兆しも出ている」と前向きにとらえている。日経は「海外シフトが鮮明になった」として「各社とも生産体制の見直しの加速を迫られそうだ」と指摘。
いずれにせよ、自動車も「中国頼み」が続くことに変わらないが、きょうの読売が1面トップ「日本の進路」で取り上げた堺屋太一氏の「未来小説2020年」を読むと、妙に納得してしまう。