【ジャガー XJ 試乗】大きさや速さを誇示しない品格…森口将之

試乗記 輸入車
XJ
XJ 全 6 枚 拡大写真

最初に写真で見たときは「なんじゃこりゃ」と思った。

でも実車を前にしたらこのデザインが理解できた。『XF』で確立したモダンジャガーのフォーマットに、フラッグシップらしい優雅さをプラスすれば、長く伸びた6ライトウインドーや縦長テールランプ、クロームで彩られたオーセンティックなインテリアという新型『XJ』のディテールになるのは当然の帰結だろう。

押し出しに頼らず個性を表現するという英国流を貫いた造形をまず賞賛したい。

そして走り出せば、これはまごうかたなきジャガーである。しっとり感は控えめになり、フラットライドが主体となったが、段差や継ぎ目をひたひたと、生き物のようにいなす感触は健在。ステアリングは握りこそ太くなったものの、繊細な操舵感はそのままだ。

サイズを忘れさせる軽快な身のこなしは、アルミボディのおかげというより、英国製スポーツサルーンの伝統を継承した結果だろう。クルージングでは厳かな5リットルV8は、フルスロットルでは唸りを上げるが、その響きに品を感じる点もドイツのライバルと違う。

大きさや速さを誇示しないアンダーステートメントの伝統は今も生きている。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★

森口将之|モータージャーナリスト
試乗会以外でヨーロッパに足を運ぶことも多く、自動車以外を含めた欧州の交通事情にも精通している。雑誌、インターネット、ラジオなどさまざまなメディアで活動中。著書に『クルマ社会のリ・デザイン』(共著)、『パリ流 環境社会への挑戦』など。

《森口将之》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. トヨタ『ハリアー』6年ぶりのフルモデルチェンジへ…注目ニュースベスト5 2025年上期
  2. トヨタ『ハリアー』6年ぶりのフルモデルチェンジへ...ワイド&ローのフォルムに注目だ!
  3. 取り付け約10秒、カーメイトが『カローラクロス』『メルセデスベンツ』各車純正ミラー専用設計の「ワイドリアビューミラー」を発売
  4. 日産『マイクラ』新型は約450万円から、EVに生まれ変わる6代目、9月に英国受注開始
  5. ホンダ『シビック e:HEV』英国モデルの新デザインに好感触! SNSではその価格にも注目が集まっており…
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る