気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2010年5月18日付
●バンコク撤去期限過ぎる、強制排除か、高まる緊張(読売・1面)
●蓄電池国際標準狙います、寿命4倍に、成長戦略明記へ(読売・2面)
●スズキとVW共同研究(読売・8面)
●日銀成長分野に資金、環境・観光、低利供給(朝日・1面)
●株安・ユーロ安再燃、支援策効果薄れる(朝日・9面)
●GM、黒字転換、1 - 3月期、800億円、3年ぶり(朝日・9面)
●日航、今期営業黒字にリストラ強化、目標1年前倒し(毎日・1面)
●暫定税率廃止せず、民主公約委「環境税含め検討」(毎日・2面)
●中古車販売15か月連続減少(毎日・8面)
●重いクルマ緩くなる基準、重量かさ上げ“お引っ越し”都「低認定燃費に抜け道」(産経・2面)
●仕分け第2弾後半戦は73法人86事業、運転免許講習など対象(産経・5面)
●消えゆくスポーツ車、排ガス規制世界的強化(産経・11面)
●西日本高速告発問題尾立議員調査に異議「外部委設置は拙速」(東京・1面)
●サムスン2.1兆円投資、今年研究開発含め、半導体・液晶に集中(日経・1面)
●スズキ、VW、ヤマハ発、浜松市の実験参加、次世代環境車で連携(日経・9面)
●低公害トラックいすゞも投入、環境規制対応(日経・11面)
●取引先向け鋼材価格、トヨタ、10月上げ、部品各社納入価格に上乗せ(日経・11面)
●車部品35社、2期ぶり黒字、合理化加速が寄与(日経・15面)
ひとくちコメント
アジアではタイの政情不安、欧州ではギリシャの財政危機に端を発した経済不安が、現地の日本企業の活動や企業業績にも影響が広がっている。タイでは首都バンコクの中心地を占拠する「反独裁民主戦線」に対し、治安本部が勧告していた自主退去の期限が過ぎ、市内の緊張が高まっている。
きょうの日経によると、「メーカーでも拠点を一時閉鎖する企業が出てきた」と報じ、トヨタ自動車は「現地法人の営業事務所を14日から21日まで休業」、日産自動車も「統括会社の社員が市外の工場に一時避難」。日立やキヤノンなども販売会社が休業しているという。
一方、欧州に目を向けると、ギリシャの財政危機をきっかけにした世界的な株安・ユーロ安が再び強まっている。朝日は今回の「ユーロ危機」について、三菱ケミカルホールディングスの小林喜光社長のインタビュー記事を取り上げているが、日本企業の影響については「大騒ぎする話ではない。精密機械や自動車など欧州向け比率が高い業種もあるが、日本のメーカー全体でみた欧州の売上高の割合は平均1割程度。欧州市場の中心はドイツやフランスで、ギリシャをはじめ、南欧に進出しているメーカーは少ない」と楽観的な見方をしている。
もっとも、先の決算発表でアジアと欧州のウェートが高いスズキの鈴木修会長は「これ以上ユーロ安になると採算ベースに合わなくなる」と懸念。日産のカルロス・ゴーン社長も「今期は欧州市場全体で自動車需要が10%減る」と悲観的な見方をしており、回復の道筋は依然、不透明だ。