日本自動車部品工業会は、会員である自動車部品メーカー83社の2009年度の経営動向をまとめた。
これは部工会の正会員企業のうち、上場企業で、自動車部品の売上高比率が50%以上で前年度との比較が可能な自動車部品メーカー83社の2009年度の連結決算短信を集計・分析したもの。
それによると2009年度の業績は、売上高はほぼ全ての企業で前年を下回った。83社合計では前年同期比11.5%減の16兆9023億円となった。第2四半期まで、自動車メーカーが減産を継続していたことから受注が低迷した。
こうした中で、各社は大胆な生産体制の見直し、設備投資の抑制、固定費の削減など懸命な企業努力を重ね第3四半期以降、営業・経常・当期の各利益項目で黒字を確保できた。2009年度合計の営業利益は451.6%増の5907億円と4倍以上となった。最終利益は2008年度は4768億円の赤字だったが6859億円の黒字となった。
2010年度は、売上げ、利益ともに2009年度を上回る見通し。ただ、環境対応車をはじめとする次世代自動車への対応などによる開発費負担の増大や原材料価格の上昇、国内のエコカー補助金の打ち切りに伴う生産動向など、部品メーカーにとっては不透明さを残しており、予断を許さない状況にある。