日産から新たに発売された『ジューク』は、マーケティング的には『ムラーノ』、『デュアリス』に続く、BセグメントのSUVとして位置づけられる。
しかし、コンセプトとしてはそうではない、とグローバルデザイン本部プロダクトデザイン部プロダクトチーフデザイナーの渡辺誠二さんはいう。
「ムラーノがあってデュアリスがあってジュークがあるというヒエラルキーではないのです。小さくなった分だけお金は安くするし、小さくなった分だけ狭くするという考え方のクルマではないのです」と脱ヒエラルキーを強調する。
「小さいけど、凄く存在感がある。例えば隣に『カイエン』が来ても全然見劣りしない強い存在感を持ったクルマを目指しています」といい、「“欧州のSUVラインナップ”という認識よりは“ジューク独自のポジション”があると考えました」
また、「ルーブル美術館に行って大きな絵画があるとします。これを単に縮小しても全然感動しないでしょう。そういうクルマ作りは絶対に駄目だとデザイナーに言ったのです。単に縮小だと、せこい車でしかない」。目指したのは、「小さなボリュームのものを小さなキャンパスに入れてシンプルに表現しろ、と。そうすると、カイエンが来ても負けないデザインが出来るのです」と話す。
そしてジュークは、ユーザーが敢えてこの車を選ぶ理由が明確になっているという。「小さいことはスポーツカーであるために、小さいことは軽く作るために、ということです。つまり、小さい車の良さがあるということで、そこはすごくこだわりました」と語った。