[BMWの未来]MINI E と アクティブE に見るEV戦略

自動車 ビジネス 企業動向
BMW Group Mobility of the Futue - Innovation Days in Japan 2010
BMW Group Mobility of the Futue - Innovation Days in Japan 2010 全 13 枚 拡大写真

『MINI E』による米国、ドイツ、イギリスで実証実験の結果、MINI Eのオーナーたちは日常の走行距離が短く、自宅に駐車している時間で充分に充電ができているため、インフラとしての急速充電器の必要性をあまり感じていないと言う。

これは主にセカンドカーとして使っていることと、日常的に100km前後の走行を行なうドライバー層はそもそもMINI Eの購買層から外れてしまっている、ということもあるのかも知れない。

日本では渋滞こそ多いものの、1台あたりの移動距離は米国やドイツより短いはず。そういう意味ではMINI Eの需要はそれなりにありそうだが、来年度になると日産『リーフ』など、より実用性の高いEVとの競合も考えられ、本格導入は厳しそうだ。MINI Eの航続距離は180kmと充分ながら、エンジン車のMINIと違いMINI Eは2シーターでラゲッジルームのスペースも限られることから、使用範囲が限定されるからだ。

MINI Eの魅力は、MINIのもつデザイン性やハンドリング性能の高さをゼロエミッションで楽しめることにある。そういった意味では、まだまだ現時点では新しモノ好き、富裕層のオモチャ的感覚も残るのは否めない。

それに対し、BMW『アクティブE』は4人乗りでラゲッジスペースも200リットルと、最低限の実用性は確保されている。次世代のパワーユニットを収めたシャーシは、高いハンドリング性能と強力な加速感で異次元の走りを楽しませてくれそうだ。

トランク内にはバッテリーの存在を示すように「Eドライブ」のプレートが青く光るほか、家庭用電源からの充電を可能にするウォールボックスが装備されていた。

当分は棲み分けが成されるEVとエンジン車。BMWはエンジン車の環境性能を高めつつ、『5シリーズ』や『3シリーズ』でもハイブリッド車を投入していくという。さらにEドライブの本格導入。大都市内でのモビリティを担うのは、アクティブEをベースに開発される次世代EVだというのがBMWの考えだ。

《高根英幸》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 車検NGの落とし穴!? シート交換で絶対に知っておくべき新ルール~カスタムHOW TO~
  2. トヨタの大型ピックアップトラックの逆輸入に期待? 新型発表に日本のファンも熱視線
  3. 次期BMW『X5』の車内を激写! メーターパネル廃止、全く新しいパノラミックiDriveディスプレイを搭載
  4. Uber Taxi、埼玉県で初のサービス開始…千葉県でも大幅エリア拡大
  5. 中国マイクロEV『小馬』10万台を販売した「かわいいペット」戦略
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  3. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
  4. スズキ初のBEVはなぜ「軽EV」じゃない?『eビターラ』開発者が語る「EVの悪循環」と「スズキの強み」
  5. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
ランキングをもっと見る