【VW ポロ 1.2TSI 試乗】比較対象で評価が変わるクルマ…岡本幸一郎

試乗記 輸入車
ポロ 1.2TSI
ポロ 1.2TSI 全 5 枚 拡大写真

新たに例の1.2リットルTSIエンジンを得た『ポロ』は、『ゴルフ』よりも車両重量がだいぶ軽いので、マッチングとしてはゴルフよりも上だと思うが、ポロ同士で比べると、先に導入された1.4リットルの自然吸気エンジン車に対して、予想したほどの差はなかった。

たとえば50km/hから70km/hのような中間加速では、それなりに違いを体感するが、 もっと低いタウンスピード領域における差は、それほど大きくない。

本来はもっと差があるはずだが、日本向けにエコカー減税への適合を図ったがために、実用域のトルク感が薄くなってしまったようだ。

すでに1.4リットルモデルを購入した約5000人のユーザーは、TSIモデルが出たことを恨めしく思っているかもしれないが、コミューター的な使い方がメインであれば、それほど悔やむ必要はないのではと思う。

また、ポロは何と比較するかによって見方の変わってくるクルマ。たとえば同じBセグメント車で比べると、面白味には欠けるが、総合力の高さはさすがのものがある。

しかし、同門のゴルフと比べると、ボディの大きさだけでなく、乗り心地やハンドリング、静粛性など、走りの質感の差は確実に存在する。

ポロのことをゴルフと同等のバリューを小さなボディで実現したクルマのように 評する向きもあるが、個人的にはそんなことはないんじゃないかと思う。

このサイズが好みであればポロでもいいだろうが、価格差で迷っている人には、 「がんばってゴルフを」と薦めたい。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

岡本幸一郎|モータージャーナリスト

1968年富山県滑川市生まれ。学習院大学卒業後、生来のクルマ好きが高じて自動車メディアの世界へ。自動車情報ビデオマガジンの編集部員、自動車専門誌の記者を経てフリーランスライターに転身。「クルマ好きのプロ」として、ユーザー目線に立った視点と、幅広い守備範囲を自負し、近年はWEB媒体を中心に活動中。

《岡本幸一郎》

岡本幸一郎

1968年、富山県生まれ。学習院大学を卒業後、自動車情報映像の制作や自動車専門誌の編集に携わったのち、フリーランスのモータージャーナリストとして活動。幅広く市販車の最新事情を網羅するとともに、これまでプライベートでもスポーツカーと高級セダンを中心に25台の愛車を乗り継いできた経験を活かし、ユーザー目線に立った視点をモットーに多方面に鋭意執筆中。日本自動車ジャーナリスト協会会員。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 伝説のACコブラが復活、「GTロードスター」量産開始
  2. トヨタ『ランドクルーザー300』初のハイブリッド登場!実現した「新時代のオフロード性能」とは
  3. ようやくですか! 新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』日本仕様初公開へ…土曜ニュースランキング
  4. 朝までこの恐怖に耐えられるか?…三和交通タクシーでいく心霊スポットツアー2025【夏休み】
  5. シートに座ると自動で送風開始、取り付け簡単「クールカーシート」2モデルが発売
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  2. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
  3. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  4. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  5. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
ランキングをもっと見る