日本市場へのお目見えは「2011年中」(VGJ)という新型『シャラン』にミュンヘン近郊で試乗した。全長×全幅×全高=4854×1900×1720mmのボディサイズは国産Lクラス並だが、スクエアで威圧感のないスタイルのため、大きさへの抵抗感は皆無。
床が高過ぎず、ウエストラインが低めの室内もパッケージングの見本のような出来で、とくに2列目に座った際の横方向のゆとりは特筆に値する。3列目も大人が無理なく座れるスペースが確保されている。新採用のスライドドアも間口が広く乗降性は良好。シートの折り畳み機構はVW車らしく堅牢な造りで、3列目は巧みに床下に畳まれる。
アウトバーンから山岳路、街中まで走りっぷりは安定感が印象的、かつ快適性の高いもので、旧型のイメージとは、さすがに隔世の感がある。走行中のノイズ、振動の小ささも実感した。日本に導入されるであろう 1.4リットルTSIによる動力性能もまったく無理がない。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年より『GOLD CARトップ・ニューカー速報』の取材/執筆を皮切りにフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。