気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2010年10月7日付
●ノーベル賞 根岸、鈴木氏、化学賞有機合成で、クロスカップリング確立(読売・1面)
●国内製油縮小時代に、大手削減相次ぐ、余剰能力国も問題視(読売・8面)
●日銀ゼロ金利、量的緩和、株価が上昇、円高阻止は期待外れ(朝日・12面)
●三菱自、欧州向けEV量産、成長戦略累積赤字が重荷(朝日・12面)
●EU・韓国FTA署名、日本の輸出企業に打撃(朝日・13面)
●NY円一時82円75銭(毎日・2面)
●プリウスが首位、台数は前年割る、9月新車販売(毎日・7面)
●テスラ・モーターズ、電気自動車をリコール(毎日・7面)
●パナソニックがTOB終了(毎日・7面)
●無人トラックが隊列走行、時速80キロで3台NEDOが公開(毎日・7面)
●大手商社、新卒採用遅らす方針、4ヵ月程度協調呼び掛け(毎日・29面)
●パナソニックが新環境戦略(産経・10面)
●「小沢氏辞職を」54%世論調査(東京・1面)
●法人税年内見直し案、政府税調で首相が指示 消費税は野党と協議(日経・1面)
●10年度上半期の新車販売、全体の1割、ハイブリッド、プリウスが首位、エコカー減税が追い風に(日経・11面)
●ガソリン価格、19週連続下落(日経・11面)
●住友化学が3割増産LEDテレビ基盤向け樹脂(日経・12面)
●独ダイムラー、日産から小型車調達、「スマート」北米専用車、共同事業の第一弾(日経・13面)
●次世代環境車、マツダ、開発投資拡大、16年3月期、研究費の4割集中(日経・13面)
●トヨタ、新型「ヴィッツ」燃費最高水準(日経・13面)
ひとくちコメント
9月の車名別新車販売ランキングで、トヨタ自動車のハイブリッド車(HV)『プリウス』が、16か月連続のトップをキープしたものの、前年同月に比べると14.2%減の2万7249台と前年実績を大きく割り込んだ。
6日付の一部夕刊のほか、きょうの毎日、産経、日経などにも昨年5月の新モデル投入以降、ぶっちぎりの快走を続けてきたプリウスの失速を中心に取り上げている。
9月は「エコカー補助金」制度の終了を受け、登録車全体でも14か月ぶりのマイナスに転じ、国内の新車販売に急ブレーキがかかった。登録車のランキングをみると、2位はホンダの『フィット』、3位もホンダの『フリード』、4位にトヨタの『カローラ』、5位に同じくトヨタの『ヴィッツ』と続く。さらに、6~10位をみると、7位にトヨタの『パッソ』が入ったが、残りの4ブランドは日産が占めた。
面白いのは前年実績と比べた増減。ベストテンで最も増えたのは、8月に新車を投入し10位に食い込んだ日産の『エルグランド』で738.7%増。次いでカローラの87.0%増、8位の日産『マーチ』の72.8%増、フリードの30.9%増となる。半面、フィットやヴィッツ、パッソなどはプリウス同様に前年実績を大きく下回った。
さらに、興味深いのは10月以降の順位。引き続き受注残を抱えるプリウスが首位を維持できるかどうかである。8日には、ホンダが首位奪回を狙ってフィットのHVモデルを発表する。これまで『フリードスパイク』のようなマイナーチェンジの発表会には出席しなかった伊東孝紳社長だが、今回は方針を変更して出席するという。
ハイブリッド対決とも言われたプリウスとの壮絶な争いでは『インサイト』は惨敗。その“仇討ち”の意味を込めてフィットHV拡販に向けての意気込みをマスコミの前でアピールしたい考えとみられる。
伊東社長は7月20日の年央会見以降、一部の媒体だけを集めたインディージャパンの観戦会での挨拶を除くと、マスコミへの露出度は極めて少なかった。それだけに、円高進行など難題山積の中で、ホンダの経営トップとしての発言にも注目したい。