保釈金5万元 クレジットカードで払った

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撮影=石田信一郎
撮影=石田信一郎 全 1 枚 拡大写真

ゼネコン「フジタ」(渋谷区)の社員4人が中国河北省石家荘市内で、軍事禁区に立ち入ったとして「居住監視」されていたが、実は軍事施設保護法違反に問われたのは、4人のうち1人残された高橋定さんだけだった。

同社執行役員の菅沼広夫国際事業部長は、高橋さんがクレジットカードで「保証金5万元を支払った。60万円を超える金額なので持ち合わせはなく、クレジットカードで支払い手続きを行った」と、明かした。日本では保釈金に相当する。

「中国関係部署の断りなく、軍事禁止の看板をビデオ撮影したことは、中国の法律に違反しており、多くの人に迷惑をかけたことをたいへん後悔しています」という始末書も提出した。

しかし、29日政府系の保養所に移され、10日に釈放されるまでの間、高橋さんの受けた取り調べは「10月9日までに3回から4回、1回30分程度」(菅沼部長)と、軽いものだった。

「主に本を読んでいた。大使館からの差し入れの日本の単行本、自分の衣類の洗濯。あとは外で散歩ができる段階で散歩。中国のテレビを、とくにニュースを中心に見ていた」と、監視下に置かれていた時の様子を、高橋さんは話す。

中国当局はほかの3人が解放されたことは説明しなかった。高橋さんは、3人が釈放された9月30日、テレビニュースを見ていて、偶然そのことを知る。

「中国のテレビを見ているときに、下の方に字幕で3人解放。1人はまだ取り調べを継続と出た」

一瞬であったためわからなかったが、10月4日頃になって、帰国した3人が揃ってテレビに出ていたのを再び見た時、それは確信となった。

「私一人取り調べられている中で、以前よりももっと好意的に、食事とか安全とか外に出て運動、散歩することを積極的に勧めてもらって過ごすことができた」という一方で、監視が長期化するのではないかという不安は大きくなるばかり。

「30日まで10日間、そのときもたいへんだったわけだけど、今後いつまで留められるのかというあてがない、目標がないので、日々それを考えると憂鬱になることはあった。毎日、早く解放されることを願って過ごしていた」と、話す。

9日、高橋さんは何の前触れもなく居住監視を解かれることを翌日に解かれることを聞かされた。

「もっと長く留められるとずっと思っていたその瞬間は意外という認識で、喜んだが、びっくりした」

高橋さんが心の底から安堵したのは、フジタ本社で待ちわびる妻と娘に会ったときだった。

《中島みなみ》

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