2012年に市販化を予定している『フィットEV』の後席に実際に座ってみた。う~ん、何かが違う。なんだろうこの感じは?
と考えること数秒。理由がわかった。床が違うのだ。具体的に言うと、後席の床面が通常の『フィット』や『フィットハイブリッド』に比べて高くなっているのである。
理由はもちろん、バッテリーの搭載によるものだろう。「バッテリーは床下全面的に搭載されている」というのがホンダの説明だが、純ガソリン車のフィットやフィットハイブリッドではガソリンタンクが置かれる前席下、そしてラゲッジルーム床下に加えて後席の足元下にもバッテリーを搭載しているのだと考えられる。
それと関連してだと思われるが、リヤシートも専用設計。注目したいのは、フィットの大きな特徴になっている座面跳ね上げ式のシートを廃止していることだ。EVでは初代フィット登場以来はじめて固定式の座面クッションが備わり、着座位置も若干変更されているようである。
意外だったこともある。それはフィットハイブリッドでは(気持ち程度にあるものの)事実上消滅した、ラゲッジ床下収納スペースが用意されていることだ。純ガソリン車のフィットほど深くはないが、十分に実用的な広さである。