【日産 リーフ 発表】空力を意識したリアデザイン

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リーフ
リーフ 全 6 枚 拡大写真

日産自動車が20日より発売する『リーフ』は、少しでも航続距離を伸ばそうということから、非常に空力を意識してデザインされている。グローバルデザイン本部プロダクトデザイン本部プロダクトチーフデザイナーの井上真人さんはその一例として、リアデザインをあげる。

「まず、テールランプとテールゲートの間に段差を設けています」という。その理由は、「サイドやルーフ、アンダーフロアを通過した空気が集まる焦点をクルマの後ろ数mのところに作りました」という。それにより、空気の流れを乱れなくクルマから剥離させているのだ。そのために、テールランプはテールゲートより少し出っ張ったような形状にされている。つまり、このテールランプもスポイラーのような役目を果たしているのである。

次に、『リーフ』は電気自動車なのでマフラーがない。「床下を覗いてもらうとフロントから後ろまでフィンが続いています」。これは排気系が床下を通っているガソリン車では不可能なことで、この部分の空力はガソリン車とは比較にならないくらいスムーズになったという。

また、ルーフにはEV専用のルーフアンテナがある。「断面積を変化させると風切り音は少なくなります。例えば鉛筆のように一直線な形だと、風切り音の発生源となるのです。そこでこのアンテナは、先端を丸くし、かつ、その下を五角形にしています」。この五角形により、風の渦巻き音も低減させることに成功したのだという。

最後に井上さんは、このリアデザインにはもうひとつ思い入れがあるという。「リアフェンダーのエッジ部分の位置をかなり高くしています」と話す。「以前、マセラティ・ビトゥルボのリアビューを見たときに、肩の位置が高くてカッコいいなと思ったのです。そこで、このクルマでも肩の位置を高くしたかったのです」という。しかし、そうするとリアフェンダーのエッジより下の面の作り方が非常に難しくなる。「そのあたりを気にしながらちょっとずつちょっとずつ(プレスラインを)上げて、かつ、その下の部分の面の曲率をしっかりとって、ハイライトの入り方も気にしながらデザインしました」と笑顔を見せた。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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