【新聞ウォッチ】ルノースパイ事件、EV漏えいは社内謀略の“狂言”か

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気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2011年3月4日付

●仙台の予備校生逮捕、入試投稿「1人でやった」(読売・1面)

●トヨタ目標1000万台、2015年新興国で販売拡大(読売・1,8面)

●ルノー漏えい「スパイの形跡なし」仏.捜査関係者、冤罪の可能性(読売・2面)

●全日空国際線25周年、15年度売上高5000億円目指す(読売・8面)

●高級乗用車の共同開発検討、日産とダイムラー(朝日・13面)

●再統合パナソニックの戦略、三洋の企画力残せるか(朝日・13面)

●どう動く春闘、交渉中盤戦、自動車労使トップに聞く(産経・10面)

●マツダ、米での生産中止検討、13年にも、海外主力工場で初(東京・8面)

●自動車燃費の新測定法、運転の実情細かく反映(東京・8面)

●NEC元社長、西垣氏自殺か(東京・31面)

●住友電工、蓄電池価格10分の1、車・住宅向け開発、リチウム使わず(日経・1面)

●リチウムイオン電池搭載、「プリウス」ワゴン300万円に、トヨタ、来月発売(日経・11面)

ひとくちコメント

仏ルノーから電気自動車(EV)関連情報が漏出したとされるスパイ事件。捜査に当たっている仏情報機関の国内中央情報局(DCRI)が疑いを受けて解雇されたルノー幹部3人が「スパイ行為をした形跡は現時点で見当たらない」との見解を示したという。

仏の有力紙などが報じたのを受けて、きょうの産経、日経を除く各紙が取り上げているが「事件そのものが架空だった可能性を含め、捜査は大きな変更を迫られる」(東京)とみられる。

AFP通信などの記事によると、DCRI関係者は、EV関連情報漏出の見返りに金銭が振り込まれたとされる幹部ら名義のスイスとリヒテンシュタインの銀行口座は「実際には存在しない」と結論づけたという。

ただ、3日付のリベラシオン紙によると、政府の要請を受けたルノーのパトリック・ペラタ最高執行責任者(COO)は、フィヨン首相の補佐官とベッソン産業相に会い、同社の見解を説明。ルノー関係者は同紙に、「会社は何者かの情報操作の犠牲になった」として嫌疑の根拠となる情報が誤っていた可能性を指摘しつつ、3人のうち経営委員会の元メンバーが漏出に関与した疑いを捨てていないと説明したという。

背景にルノー社内の権力闘争があり、問題の社員3人のうち少なくとも2人は冤罪(えんざい)の可能性があるとも報じている。スパイ事件発覚から2か月が過ぎて、仏の捜査当局は一定の見解を示したとみられるが、曖昧な部分も残っていて完全に霧が晴れた状態ではない。しかも、今回、ルノー社内では権力闘争が起こっていることも浮き彫りになった。

権力抗争といえば、傘下の日産自動車のほうが先輩格。70年代から80年代にかけて、日産は、銀行出身の経営者が労組のドンを抱き込んで実権を握り、対立する勢力と内部抗争に明け暮れた。そのツケがバブル崩壊とともに一気に噴出し、90年代末には倒産の瀬戸際に追い込まれたという苦い経験がある。

その後始末に乗り込んだのがカルロス・ゴーン社長だったが、こんどはお膝元の権力闘争をどのように裁くのかも興味深い。

《福田俊之》

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