枝野幸男官房長官は13日15時の会見で、福島第一原子力発電所3号機(福島県大熊町)で、1号機と同じような水素爆発の可能性があることを発表した。ただ、ベント弁が作動しているため1号機のような事態が起きる可能性は低いという。
注水機能が失われた3号機は、13日午前9時に注水ポンプによる真水の注入を開始した。それにより一度は、原子炉内の水位を回復したものの、再び水位が下がり始めた。原因は「注水ポンプのトラブル」(枝野氏)。
そのため真水から海水へ切り替えて注水をやり直した結果、水位が上昇し始めた。
「この時、原子炉内が不安定になり、炉心が水没しない状況が生じた」と、枝野氏は言う。
炉心には燃料棒があり、そのウラン燃料棒の表面はジルコニウムで覆われている。燃料棒が水没しない状況では温度が上昇し続けることにより、溶け出したジルコニウムと水が反応して水素を発生させる。
「充分に冷却できない状況だったため大量に水素が発生した。建屋の上部にたまっている可能性が否定できない。3号炉においても、1号炉と同様の水素爆発の可能性が生じたためご報告した」(枝野氏)
ただ、「昨日と違うのは、ベント弁も機能し気体を排出するプロセスの中で起きているので、(水素が)すでに排出されている可能性もある。念のための発表だ」とし、枝野氏は「この発表による新たな対応はない。冷静にうけとめてほしい」と呼びかけた。