昭和シェル石油は、燃料不足問題が生じている東北・関東地方で、操業停止を余儀なくされている他社の製油所があることから、グループの製油所をフル生産体制することに加え、3月分として計画していた製品輸出を取り止め、国内向けに振り替えると発表した。
同社グループの国内の全製油所がフル稼働しているのに加え、震災前の需要低迷から輸出に充当する計画だった燃料を国内向けに回す。これらの取り組みで、国内向けの供給力を震災前の3月度当初計画に比べて約30万キロリットル、約15%増強する。この増強分は、関東以北向けに供給するとともに、同社の系列サービスステーション、需要家に加えて業界として安定供給に貢献するため、他社へも製品を供給していく。
また、同社グループの国内にある油槽所20か所のうち、2か所が出荷停止となっているが、このうちJONET八戸油槽所は、復旧に向けたテスト出荷を実施し、自圧を使った出荷が可能なことを確認した。今後、本格的に出荷の準備に入る。もう一つの塩釜油槽所は現在、修復に向けて部品を発注した段階としている。