【インタビュー】ボルボの先進安全技術開発…次なるステップとは

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安全技術開発を担当するヨーナス・エックマーク氏
安全技術開発を担当するヨーナス・エックマーク氏 全 12 枚 拡大写真

ボルボは新型『S60』に、歩行者を検知し万が一の衝突を回避・軽減させる自動ブレーキシステム「ヒューマン・セーフティ」を搭載した。2020年までにボルボ車が関わる事故・死傷者をゼロにするという目標を掲げる同社の安全技術の次なるステップとは何か。Safety Electronics & Function マネージャー、ヨーナス・エックマーク氏に話を聞いた。

画像:S60によるヒューマン・セーフティのデモンストレーション

----:2020年までに死傷者をゼロにするという目標は、現在の技術で実現できるものなのか。あるいは更なる新技術を今後も投入していくのか。

今後も多くの技術を導入していく必要があると考えています。特に重視しているのは、「ヒューマン・セーフティを夜間でも機能させる」ということです。日本ではあまり問題ではないかもしれませんが、大きな動物との衝突も回避できるようにしたい。オリックスやカンガルー、水牛や象などあらゆる動物を認識する必要があるでしょう。

また、交差点での衝突についても大きな事故となる可能性が大きいため対応していかなければいけないでしょう。自動ブレーキだけではなく、危険を回避するため自動的に隣の車線に迂回するようなシステムというのも重要となってくるかもしれません。

----:ヒューマン・セーフティを突き詰めて行くと「自動運転」に行き着くのではないか。ボルボは「クルマは人が運転するもの。だからこそ安全が必須だ」と謳うが、これと矛盾はしないのか。

例えば2台のクルマがあって、前車が誘導し後車が追随するという場合であれば、後車のドライバーは運転をクルマに任せ、コンピューターで作業をするということも可能かもしれない。しかし、「誰が責任を持つのか」という点が最も重要です。現在の「ドライバーが責任を持つ」という段階から、「システムが責任を持つ」という段階への移行にあたっては、誰が責任をもっているかとドライバーがきちんと認識していなければいけません。

自動運転はとても興味深いテーマで、日本でも多くの研究がされているでしょう。この技術の興味深い点は、「安全」、「エネルギー効率」、「渋滞の緩和」、「ドライバーの時間の有効活用」といった様々な点でメリットがあることだと思います。

----:シティセーフティ、ヒューマンセーフティといった先進の安全技術が普及していくにあたって、最も必要なものとは?

やはりコストの低減は重要です。ただ、経験から言って、コストというものは時間とともに下がっていくものですので、それほど心配はしていません。それよりも重要なのは、開発がどういった方向に進んで行くのか、どれだけの時間がかかるのか、という事です。

ボルボはヒューマンセーフティを全てのモデルに標準化することを実現したい。その先駆けとなりたいと考えています。そしてこれを実現することで、実際の交通事情に大きな影響を与える事ができるものと信じています。

----:スバルが「アイサイト」で、低価格で高度な自動ブレーキシステムを実現しています。これについてどうお考えでしょうか。

スバルのアイサイトは日本以外の国で購入することはできませんが、競合他社がこうしたクルマを次々に出していくことで有意義な競争が生まれることは確かでしょう。また、ボルボの場合はひとつのカメラとレーダー、スバルは2つのカメラを使ったシステムと、それぞれ技術的なアプローチは異なりますが、目的は同じ「衝突を回避すること」にあります。そして究極的な目標である「負傷者数の低減」に向けては、我々だけでなく他社もこうした技術を積極的に導入していくことが必要だと考えています。

《宮崎壮人》

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