デュポン社、現場密着型のサポート体制で顧客を徹底フォロー

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岩手スバル自動車のBP工場のようす
岩手スバル自動車のBP工場のようす 全 27 枚 拡大写真

デュポン社は東日本での製品販売にあたり、デュポン製品の専売代理店ユーポンと連携する。その販売体制のあり方をレポートする。

ユーポンからみる次世代水性塗料「クロマックスプロ」

ユーポンは、1976年の創業以来、デュポンの自動車補修用塗料専売店として事業を展開してきた。2008年には千葉県印西市に新たにトレーニングセンターとデリバリーセンターを兼ねた「ユーポン・リフィニッシュトレーニング・デリバリー・センター(YRDC)」をオープン。先進の設備で、ユーザーに技術指導を実施し、デュポン製品の周知とサポート体制を強化している。

【ユーポン・リフィニッシュトレーニング・デリバリー・センター】

2010年8月、デュポンは国内で次世代水性塗料「クロマックスプロ」の販売を開始。同時にユーポンでも水性塗料の営業活動をさらに活発化した。製品の営業ならびに技術サポートをこなす東北地域(岩手)を担当するユーポン東北支社 阿部支社長は、「クロマックスプロの製品力は他社に比べて頭一つ抜き出ている」と強調する。

クロマックスプロの特徴は、全体的な製品力の高さと言い切る。特に隠ぺい性と乾燥性、そして仕上がりにあるという。隠ぺい性が高いことで、塗料の無駄な使用を防ぎ、塗装面の滑らかさを生む。結果的に高い塗装品質の実現につながる。

乾燥性の向上は、一般的に水性塗料の大きな技術的課題とされている。乾燥時間が短くなることで全体の作業時間が短縮され、作業効率がアップする。クロマックスプロは従来の水性塗料に比べ、乾燥時間が短縮された製品となっている。

営業活動はデモカーを活用

こうしたクロマックスプロの技術的利点を強調しつつ、阿部氏は「反応は良いが市場的に厳しい」と販売現場での実態を話す。

優れた製品は、その分のコストがかかる。水性塗料を導入するためにはある程度まとまった額の初期投資が必要だ。費用は、塗料そのものの購入だけでなく、場合によっては塗料を保管するためのミキシングマシーンや塗装ブースの準備などもかかる。逆にある程度設備の整ったBP工場であれば、塗料の購入は必要であるものの、その他には多少の追加投資のみで導入ができる塗装システムだ。

各種設備を含め営業活動に使用するデモカーには、デュポンが拡販に力を注ぐ水性塗料「クロマックスプロ」を搭載する。

震災の影響

震災の影響は少なくない。

阿部氏は「環境の話が優先順位を下げている。CO2より放射能の方が誰しも気になる」と現場の状況を話す。

「当初目標は、従来の溶剤型塗料を使用していたユーザーに水性塗料の切り替えを促進するというものだった」という阿部氏。そのうえで「水性塗料の導入には、取り組むべき課題が多く、リスクを背負いながら導入することになる」と話す。水性塗料の導入は、自動車の車体整備事業者にとって簡単に決断できることではない。

「水性塗料導入のリスク以上に、企業として社会的責任を果たすという目的達成の価値を重くみている方々に使っていただいている」(同)とした。

デュポンブランドに自信

ユーポンでは、震災を受けて営業の方向性を改めている。これまでのようにCO2削減につながる水性塗料の性能を全面的に押し出す営業スタイルを変更しているという。

また阿部氏は「震災は厳しいものだが、復興に向かって徐々に歩み始めている」と力強く話す。「今は、がむしゃらに売り込むことはない。デュポンというグローバルブランドは根強い力をもっている」と、ブランドに対する誇りと自信をのぞかせる。

デュポン、ユーポン、地域販社のチームワークで現場フォロー

現状を把握するため現場とは電話連絡を欠かさず行い、技術フォローが必要な場合には、いつでも対応するのがユーポンだ。
デュポンの水性塗料クロマックスプロを導入している岩手スバル自動車の一条正彦B・Pセンター長は「クロマックスプロを実際に使い出すと分からないことや、アドバイスの必要性が出てくる。そういう場合にはユーポンに電話をかけて、簡単なことは電話で、そうでないことはB・Pセンターに来ていただいて直接技術指導してもらっているため非常に助かっている。おかげで現場の士気も上がり、使用率がめきめきあがった。」と話す。

デュポンの東日本地域の専売代理店であるユーポンは、担当地区にある地場の販売代理店との販売ネットワークをもっている。ユーポンでも対応しきれない現場フォローは、地域密着型の地場販売店との連携で対応する。デュポンから、ユーポン、そして地域の販売代理店と、3者のチームワークが現場の信頼を獲得するための最大の武器となる。製品を売りっぱなしにしないサポート体制でユーザーの期待に応えていく。

《記事協力:デュポン社》

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