【G-BOOK全力案内ナビ インプレ前編】渋滞情報+オペレーターサービスが強みのマルチプラットフォームナビ

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G-BOOK全力案内ナビ iPhone版
G-BOOK全力案内ナビ iPhone版 全 18 枚 拡大写真

全力案内!とトヨタのG-BOOKがコラボ

野村総合研究所(NRI)が提供する「全力案内!」は、独自のプローブ渋滞情報や低価格が魅力のカーナビアプリのブランド。一方、G-BOOKはトヨタが展開するテレマティクスサービスの名称だ。

この2つがコラボして誕生したのが、ここで紹介するG-BOOK全力案内ナビ。これによってなにができるようになったのか、どんな新機能が実現したのか、その注目度は非常に高い。このアプリの登場はカーナビアプリを使っている人だけでなく、従来からのG-BOOKユーザーにとっても気になるニュースのはずだ。

このコラボ、多くの人がまず最初に聞きたいのは、コラボの結果なにがどうなったのか、ということだろう。いろいろな見方があるのだが、全力案内ナビからの視点で、かつ非常に短く言うと、コラボのおかげでオペレーターサービスが使えるようになった。もちろんほかにも特筆すべき点はあるのだが、一言で言うならこれに尽きる。

オペレーターサービスとは、24時間待機している人間のオペレーターと通話して行き先を検索してもらえるサービスだ。ケータイやスマートフォンのカーナビアプリでのオペレーターサービスはもちろん日本初。それどころか、市販のカーナビでも例がない。自動車メーカーが展開するG-BOOKやカーウイングスなどのユーザーだけが使える特別なサービスだったのだ。

しかも、驚くべきことにG-BOOK全力案内ナビの価格は実質的に従来の全力案内ナビからほぼ据え置きであり、オペーレーターサービスは追加料金無しで使える標準機能として提供される。もちろん、利用回数の制限などもない。

価格については、ちょっとややこしいのでここでまとめて説明しておこう。従来の全力案内ナビの価格が900円/1年だったのに対して、G-BOOK全力案内ナビの価格は900円/6ヶ月となっている。一見すると2倍に値上げされているように見えるが、実はそうではない。従来の全力案内ナビでは独自のプローブ車両による交通渋滞情報が900円/1年のオプションであったのに対して、G-BOOK全力案内ではこれが標準機能になっているのだ。したがって、実質的には価格据え置きということになる。

ついでに言えば、従来の全力案内ナビにはほかにアドバンストオプション600円/1年とVICS交通情報オプション900円/1年があったが、G-BOOK全力案内はこれをひとつにまとめたプレミアムオプションが用意されており、その価格は700円/6ヶ月。フルオプションで比較すればごくわずかながら値下げされているのだ。ちょっと古い言葉だが価格破壊というほかない。

なお、G-BOOK全力案内ナビは従来の全力案内ナビの姉妹ソフトという位置づけで、両アプリは併売される。また、ここで紹介するiPhone版のほか、Android版、Docomo、au、SoftBankの各携帯電話版もリリースされている。プラットフォームによってUIは異なっているが、サービスレベルの違いはない。なお、au向けのAndroid端末ではau oneマーケットからキャリア月額課金(月額263円)「プレミアム・G-BOOK全力案内ナビ 月額プラン」も利用でき、10月末までは60日間無料で利用できるキャンペーンを実施中だ。プレミアム・G-BOOK全力案内ナビはVICSや交差点拡大表示などの付加機能も全て利用できる。

◆スマートフォンで新展開を見せるG-BOOK

ところで、車載の純正ナビだけで提供されているはずのG-BOOKが、いきなりカーナビアプリとコラボと聞いて不思議に思う人もいるだろう。実は、G-BOOKは昨年末から、そのプラットフォームにスマートフォンを加えた新たなアプローチを開始している。

そもそもG-BOOKは通信手段としてDCMと呼ばれる車載用の専用モジュールを使用するか、あるいは携帯電話を車載ナビに接続する必要がある。しかしモジュールの価格、通信費はやや高価だし、携帯電話の接続もやはり通信費が高く、接続が面倒といった難点もある。そこで、スマートフォンや携帯電話でG-BOOKのサービスが利用できる「SmartG-BOOK」「G-BOOK mo」というアプリが無料で提供された。

この時点ではSmartG-BOOKは車載ナビのG-BOOKと組み合わせるためのアプリだったわけだが、ここでトヨタの大英断が発動される。SmartG-BOOKとカーナビアプリと組み合わせることで、車載ナビのG-BOOKを使っていない人でも、もっと言えば、トヨタ車のオーナーでなくても、G-BOOKを使えるようにしたのだ。そのために登場したのがG-BOOK全力案内ナビということになる。

ちなみに、SmartG-BOOK側から見れば、サービスの主体はあくまでG-BOOKであり、G-BOOK全力案内ナビはSmartG-BOOKの有料オプションという位置づけになる。もちろん、ユーザーにとってシステム上の位置づけなどどうでもいいこと。ただし、G-BOOK全力案内ナビを使うなら必ずSmartG-BOOKとセットでなければならないことは覚えておきたい。

◆使って分かるオペレーターサービスの威力

前置きが長くなってしまったので、本題に入ろう。まず使えるまでの準備について説明をしておきたい。まずG-BOOK全力案内ナビとSmartG-BOOKをそれぞれインストールする。つぎにG-BOOK全力案内のオプション画面で全力IDおよびPCログインIDを取得。一般的にこの2つのIDは同じものと考えていい。続いてG-BOOKのIDも取得する。これもG-BOOK全力案内ナビのオプションからできるようになっている。

これでG-BOOK全力案内ナビについては全機能を使えるようになる。必要であればオプション機能もインストールしておこう。この購入手続きもG-BOOK全力案内のオプションから行う。オプション購入により、交差点の拡大表示、音声案内での交差点名の読み上げ、VICS渋滞情報などが使えるようになる。

これで完了と言いたいところだが、SmartG-BOOKのほうはまだ続きがある。敢えてやらなくてもいいが、せっかくインストールしたのだから全機能を使いたいというなら、SmartG-BOOKを起動し、GAZOOのIDを取得する。さらに、ヘルプネットという機能の試験通報をする。これでようやくすべて完了だ。

さっそく目玉機能であるオペレーターサービスを使ってみよう。G-BOOK全力案内ナビを起動すると、画面下のメニューに「オペレーター」があるのでこれをタップ。自動的に電話がかかり、オペレーターが対応した。ちょうど欲しい本があったので、「近くでなるべく大きな書店」をリクエスト。すでに先方にはGPSデータが送信されているので、現在地をいう必要はない。

しばらく待つと、郊外型の大型書店を案内された。そのまま電話を切り、G-BOOK全力案内の受信一覧をタップすると書店名が表示されるので、それをタップすれば目的地設定は完了だ。ちなみに、このとき一度SmartG-BOOKの画面に切り替わっているのだが、注意していなければわからないほど連携はスムーズだ。

人間のオペレーターと話しをするのは、最初はやや緊張してしまう。トヨタ車ではない(筆者の場合はホンダ車)に乗っていてトヨタのサービスに電話をするというのもなにかおかしな感じがする。しかし、実際に使ってみると、そういったネガな印象がキレイに吹き飛ぶ。それほど便利なのだ。これは決して、機械オンチの人だけが使う機能ではない。

オペレーターサービスは人間が対応するので非常に融通が効く。行き先の名称がうろ覚えでもできるかぎり検索してくれるし、「近所のおいしいラーメン屋」といったリクエストも可能だ。オペレーターはショップや各種施設のデータを参照して目的地の候補を幾つか提示してくれる。さらに、夜間や休日でも診療してくれる病院を探してもらうといったことも可能だ。

iPhoneにハンズフリー機器を組み合わせれば、走行中や信号待ちでの目的地検索も可能。慣れるとこれは本当に快適で、カーナビの操作で一番面倒なのが目的地検索であることは多くの人が賛同するだろう。その手間を劇的に減らしてくれるのだからありがたい。iPhoneアプリの場合で月額に換算すればわずか150円のカーナビアプリの機能とはとても信じられないほどだ。

《山田正昭》

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